(読み)ケムリ

デジタル大辞泉 「煙」の意味・読み・例文・類語

けむり【煙/×烟】

《「けぶり」の音変化》
物が燃えるときに立ちのぼるもの。有機物が不完全燃焼するときに出る気体で、固体の微粒子が浮遊している状態をいうが、液体の微粒子が含まれている場合もある。「―がたちこめる」
かすみ水蒸気など、1のように空中にたちこめるもの。「湯の―がただよう町」
かまどから立ちのぼるもの。炊煙。また、暮らし。生計。
「細いながら―絶えせず安らかに日は送れど」〈露伴風流仏
[下接語]黒煙潮煙砂煙血煙朝夕ちょうせきの煙・土煙野辺の煙・火煙・水煙夕煙雪煙湯煙
[類語]けぶり・火煙・白煙黒煙炊煙・朝煙・夕煙紫煙香煙硝煙砲煙煙幕噴煙排煙油煙煤煙狼煙のろしすすくゆらす煙い煙たいむせっぽい

えん【煙】[漢字項目]

常用漢字] [音]エン(呉)(漢) [訓]けむる けむり けむい けぶい
〈エン〉
けむり。「煙害煙突煙幕薫煙黒煙硝煙人煙炊煙噴煙砲煙
煙のようにかすんだもの。もや。「煙雨煙霞煙霧雲煙水煙
すす。「松煙油煙
タバコ。「愛煙・喫煙禁煙嫌煙節煙
〈けむり〉「潮煙砂煙血煙土煙湯煙
[補説]「烟」は異体字。
[難読]煙管キセル煙草タバコ狼煙のろし煙火はなび

けぶり【煙/×烟】

《「けむり」の古形》
けむり1」に同じ。
「汽車はしきりに―を吐きつつある」〈漱石虞美人草
けむり2」に同じ。
「霜いと白うおける朝、遣水より―の立つこそをかしけれ」〈徒然・一九〉
ぼんやりとかすんで1のように見えるもの。草木の芽が出るときのようすなどにいう。
春日野にまだもえやらぬ若草の―みじかき荻の焼原」〈新勅撰・雑一〉
心中の苦しみ。悩み。
「かがり火にたちそふ恋の―こそ世には絶えせぬ炎なりけれ」〈・篝火〉

けぶ【煙/×烟】

《「けぶり」の略》けむり。けむ。

けむ【煙/×烟】

けむり。けぶ。

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精選版 日本国語大辞典 「煙」の意味・読み・例文・類語

けぶり【煙・烟】

  1. 〘 名詞 〙 ( 後世は「けむり」 )
  2. [ 一 ] 物が燃えるときに立ちのぼる、微粒子の混じった有色の気体。
    1. けむり(煙)[ 一 ]
      1. [初出の実例]「志賀の海人(あま)の塩焼く煙風をいたみ立ちは上(のぼ)らず山にたなびく」(出典:万葉集(8C後)七・一二四六)
      2. 「名香のけぶりもほのかなり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)
    2. けむり(煙)[ 一 ]
      1. [初出の実例]「おもひきや雲の林にうちすてて空のけぶりにたたむものとは」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
    3. けむり(煙)[ 一 ]
      1. [初出の実例]「御息所の、御身の苦しうなり給ふらむありさま、いかなるけぶりの中に惑ひ給ふらん」(出典:源氏物語(1001‐14頃)鈴虫)
    4. けむり(煙)[ 一 ]
      1. [初出の実例]「台(たかとの)の上に居(ましま)して遠に望(みのそ)むたまふに、烟気(ケフリ)(さは)に起つ」(出典:日本書紀(720)仁徳七年四月(前田本訓))
    5. けむり(煙)[ 一 ]
      1. [初出の実例]「野店にて烟(ケブリ)を吹き茶を喫し」(出典:雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉上)
  3. [ 二 ] [ 一 ]のように見えるもの。
    1. けむり(煙)[ 二 ]
      1. [初出の実例]「松あり又松あり。煙は高卑千巖の路を埋み、水に臨て又水に臨む」(出典:海道記(1223頃)序)
    2. けむり(煙)[ 二 ]
    3. けむり(煙)[ 二 ]
      1. [初出の実例]「春日野にまだもえやらぬ若草のけぶり短き荻の焼原〈道助法親王〉」(出典:新勅撰和歌集(1235)雑一・一〇二六)

煙の語誌

( 1 )「介夫利」〔新撰字鏡〕、「介不利」〔十巻本和名抄〕、「計布理」〔日本紀竟宴和歌‐延喜六年〕などと表記されるところから、古くはケムリではなく、ケブリであったと考えられる。平安末、鎌倉時代にはケブリ、ケムリの両様が用いられていたが、室町末頃にはケムリが通例となったらしい。
( 2 )「けぶり」と表記して「けむり」と発音していたことは「初心仮名遣」(一六九一)に「ふをむに読事、是はふと書ながらむと読なり」の例として「けふ(ム)り 煙」を挙げていることによっても推定できる。


けむり【煙・烟】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「けぶり」 )
  2. [ 一 ] 物が燃えるときに立ちのぼる、微粒子の混じった、色のついた気体。
    1. 物が火に焼けて立ちのぼるもの。
      1. [初出の実例]「烟(ケムリ)起りて焔無し」(出典:大日経義釈延久承保点(1074))
    2. 特に火葬の時に立ちのぼるもの。
    3. ( 多く、「思いの煙」の形で ) 思い焦がれる心の苦しみ。
      1. [初出の実例]「ヲモイノ qemuri(ケムリ) ムネニ ミツ」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    4. かまどから立ちのぼるもの。炊煙。また、暮らし。生計。
      1. [初出の実例]「炊𤇆〈略〉本朝帝歌云、たかきやにのぼりてみればけむりたつたみのかまどもにぎわいにけり」(出典:四河入海(17C前)二四)
    5. タバコを吸う時に立ちのぼるもの。
      1. [初出の実例]「父は持仏の前に膝たかく組て、烟くゆらせ空に吹ゐたり」(出典:読本・春雨物語(1808)樊噲)
  3. [ 二 ] [ 一 ]のように見えるもの。
    1. 霧や湯気など、水蒸気が空中にたちこめたもの。煙霧。
      1. [初出の実例]「月は程なく入り潮の、煙(けむり)満ち来る小松原」(出典:謡曲・道成寺(1516頃))
    2. 塵やほこりなど、空中に浮いているもの。
      1. [初出の実例]「ウマノ kemuri(ケムリ)」(出典:改正増補和英語林集成(1886))
    3. 草木の若芽などの、遠くからかすんで煙のように見えるもの。

煙の語誌

→「けぶり(煙)」の語誌


けぶ【煙・烟】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「けぶり(煙)」の略 ) =けむり(煙)
    1. [初出の実例]「かほどの智職さへ六塵のけぶにまよひ、六根の罪はまぬかれがたきものを」(出典:国町の沙汰(1674))

けむ【煙・烟】

  1. 〘 名詞 〙けむり(煙)〔名語記(1275)〕
    1. [初出の実例]「そら焚(たき)の烟(ケム)を霞のさくらの間」(出典:俳諧・へらず口(不角撰)(1694))

えん【煙・烟】

  1. 〘 接尾語 〙 戸数をかぞえるのに用いる。
    1. [初出の実例]「始定藤原宮地。宅入宮中百姓一千五百五烟」(出典:続日本紀‐慶雲元年(704)一一月壬寅)

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普及版 字通 「煙」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

(旧字)
13画

(異体字)烟
10画

[字音] エン・イン
[字訓] けむり・けむる

[説文解字]

[字形] 形声
旧字はに作り、(いん)声。は竈の煙がたちこめて、煙抜きに流れ出る形。〔説文〕十上に「火气なり」とあり、煙の部分をいう。

[訓義]
1. けむり、けむる。
2. すす。
3. くも・きり・ほこりのたちこめること。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕烟 カマド・ケブリ・モユ

[声系]
〔説文〕に声としてなど八字を収める。(まど)に煙の流れる形。ふさぐ、たちこめるなどの意がある。は煙の初文とみてよい。

[語系]
yen、inは声義近く、一系の字。淤ia、抑iet、堰ian、遏atに、みな、とどこおり、つまる意がある。

[熟語]
・煙靄・煙埃・煙雨・煙雲・煙・煙苑・煙・煙塢・煙霞・煙花・煙海・煙閣・煙管・煙鬟・煙眼・煙気・煙客・煙・煙景・煙径・煙谿・煙月・煙戸・煙昏・煙・煙際・煙爨・煙散・煙樹・煙曙・煙銷・煙・煙条・煙色・煙岑・煙燼・煙塵・煙翠・煙雪・煙窓・煙村・煙中・煙汀・煙篆・煙罩・煙濤・煙突・煙波・煙煤・煙霏・煙・煙氛・煙墨・煙霧・煙滅・煙綿・煙容・煙嵐・煙巒・煙柳・煙林・煙縷・煙嶺・煙浪・煙楼
[下接語]
鬱煙・雲煙・炎煙・火煙・寒煙・巌煙・喫煙・暁煙・禁煙・軽煙・孤煙・湖煙・荒煙・香煙・茶煙・柴煙・山煙・残煙・紫煙・愁煙・春煙・松煙・硝煙・煙・晨煙・人煙・塵煙・水煙・炊煙・翠煙・青煙・竈煙・村煙・淡煙・澹煙・廚煙・長煙・朝煙・汀煙・篆煙・煤煙・晩煙・微煙・浮煙・風煙・噴煙・暮煙・烽煙・墨煙・夜煙・野煙・油煙・幽煙・余煙・嵐煙・凌煙・緑煙・炉煙・狼煙

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「煙」の意味・わかりやすい解説


けむり

気体を分散媒とし、固体粒子を分散質とするコロイド分散系が煙である。しかし通常いわれる「煙」を科学的に定義することはかなりむずかしい。たとえば、たばこの煙は、大部分が液体の微粒子であり、煙霧質エアロゾルエーロゾルとも)とまとめてよぶほうが適切である。

 多くの有機物が燃焼した場合に生じる煙は、炭素質の微粒子(煤(すす))で、径が1~100ナノメートルのものが空気中に分散したものであるが、そのほかに燃料の分解によって生じた液体の微粒子も含まれる。セメントの煙などは、もっと大きな粒子(径が1マイクロメートル以上)のものを含むが、このようなものになってくると、もはや煙というよりも、塵埃(じんあい)ということが多い。空気中では0.1マイクロメートル以下の粒子の沈降速度は、これよりも大きな粒子に比べて格段に小さくなるので、その意味ではこのくらいの大きさを上限とする固体粒子が浮遊しているものが煙ということになる。

 墨をつくるには、種油や松根などを燃して得られる炭素の微粒子を集めて原料にするのである。

[山崎 昶]

煙の文化的利用

喫煙や料理(薫製)のほか、〔1〕煙のもつ動物を窒息させる力を利用する場合と、〔2〕煙の地から天へ昇る性質を利用する場合とがある。また、煙の利用目的としては、(a)そのような煙の物理的な力と性質を使って実際の効果を期待する実用的な使い方と、(b)煙の力と性質を象徴的に利用して宗教儀礼で用いる場合に分けることができる。

 煙が動物を窒息させる力は、実用面では、害虫を追い払ったり、狩猟動物を穴や、やぶから追い出すために使われ、宗教的利用としては、悪霊に取り憑(つ)かれた病人を治すため煙で悪霊をいぶり出す。たとえば日本では、狐(きつね)や犬神などに憑かれたとき、松葉やトウガラシや硫黄(いおう)を燃やして憑き物を落とす。南北アメリカ大陸では、シャーマンがたばこの煙を患者に吹きかけて病気を治すことが多い。東南アジアの各地に、産婦に煙をかけて清め、悪霊を払う習俗がみられる。

 煙が天へ昇る性質は、広い意味でのコミュニケーションの目的に利用される。実用面では、のろしとして通信手段となる。宗教儀礼においては、煙が天と地を媒介するもの、つまり、神や霊的世界と人間やこの世とを媒介し、両者の交流、通信を可能にするものとして用いられる。メキシコのマヤ人の社会では、宗教儀礼で使われるろうそくの煙は祈りのことばを天の神に伝えるといわれている。世界各地でシャーマンが恍惚(こうこつ)状態に入るときに煙がしばしば用いられる。煙がシャーマンを忘我状態に導き、神や精霊を呼び寄せ、神霊との交流をもたらすとされる。アメリカ大陸ではたばこの煙がよく用いられる。たとえばブラジルのボロロ人は、トウモロコシの収穫祭のとき呪医(じゅい)が踊ったり歌いながらたばこを何本ものみ、陶酔状態になる。北アメリカの多くの先住民の間で、神や精霊に対してたばこの煙を捧(ささ)げたり、猟の前にたばこの煙で動物霊を慰撫(いぶ)する。コマンチの人々はたばこの煙を大精霊と太陽に捧げる。ブラックフットの人々はたばこの煙の形で自分の守護霊を知る。また北米インディアンの間では、戦争や紛争のあと和解するときにしばしば喫煙が行われた。たばこの煙は人と霊的存在、対立する人間の間を仲介する力をもっているからと考えられる。においの強い香(こう)を用いることも、たとえばアジアの各地のシャーマンに多い。また、仏教で広く使われる香(線香)や、一部のキリスト教会で使われる香も、その煙が悪霊を払い、心身を清め、場を浄化するということだけでなく、本来隔絶している神と人とを媒介する力を香がもっているから用いると考えられる。

 煙が重要な役割を果たすもう一つの儀礼に雨乞い(あまごい)がある。雨乞いのとき、しばしば山頂などでたき火をしたり、よく煙が出るものを燃やす。この煙は雨雲を模したものと解釈することができるが、超自然的世界との象徴的通信手段として煙が用いられていると考えることもできる。

[板橋作美]

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改訂新版 世界大百科事典 「煙」の意味・わかりやすい解説

煙 (けむり)
smoke

気体中に微細な固体粒子が分散した系を煙というが,普通には,ある種の燃焼過程で生成する不完全燃焼物などが微粒子となって浮遊した状態を指すことが多い。コロイド分散系の一つと考えると,気体を分散媒とする分散系をエーロゾル(煙霧質)といい,固体粒子の分散した系を〈けむり〉,液体の分散した系を〈きり〉と定義するが,この定義は必ずしも厳密には適用できない。というのは,種々の物質の燃焼のときに発生する煙は,非常に細かく分散した固体粒子とともに粒子上に凝縮した液体を含むことが多いからである。煙は一般に物質の不完全燃焼によって発生するが,その発生機構および成分は非常に複雑である。たとえばタバコの煙は,主として巻紙の炭化部分より少し後方で起こる蒸発・熱分解過程で発生した成分が空気中で急冷され凝縮の結果生じる。1cm3中に1010個程度の煙粒子を含み,粒径は0.2μm前後である。この煙粒子は蒸気部分とタール部分から成り,タール部分は全体の8%を占めるが,その成分は非常に複雑で3000種程度が確認されている。フィルターにより個数は約半分に減るが,粒径は少し大きくなる。石炭の燃焼で生じるばい煙はすす(煤)を多く含む。すすは,高温での熱分解生成物が重合し,脱水素,環化を繰り返して縮合ベンゼン環を多く含むものである。大都会や工場地帯で多量の燃料の不完全燃焼によるばい煙や塵埃(じんあい)の粒子が凝結核となって霧を生じる。これをスモッグという。歴史的にロンドン・スモッグが有名で,これは石炭の燃焼で生じるばい煙と硫黄酸化物が中心となって生じる黒い濃霧で,1952年12月には4000人以上の死者を出した。また,自動車排気中の汚染物質が太陽光線の作用をうけて生成する白いスモッグをロサンゼルス・スモッグといい,55年の夏には300人以上の死者を出したという。このような大気汚染で問題になるのは粒径が10μm以下の浮遊粒子状物質で,ダストヒュームミストに分類される。ダストは固体粒子,ヒュームは凝縮固体粒子,ミストは液体粒子である。これらの粒子は静かな空気中ではしだいに落下し,たとえば半径10μmの水滴は毎秒1.2cm落下するが,空気の流れがあると容易には落下せず,いつまでも上空に浮遊する。

 煙は遮へい用の煙幕および信号として利用される。煙幕としてよく使われるのはベルゲル混合物Berger mixtureで,たとえば四塩化炭素CCl450,亜鉛末Zn25,酸化亜鉛ZnO20,ケイ藻土5の組成をもつ。これに点火すると次の反応が起こる。

 2Zn+CCl4─→2ZnCl2+C

生じた塩化亜鉛ZnCl2は反応熱のため蒸発し,水分を吸って白煙となる。信号用としては着色煙が使われる。たとえば塩素酸カリウムと乳糖の混合物に色素を加え点火すると,乳糖の燃焼熱で色素が昇華し空中で凝結して有色煙となる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「煙」の意味・わかりやすい解説


けむり
smoke

可燃性物質が燃焼するときに発生する固体,液体の微粒子の集りで,大気中に放出されるもの。石炭,重油などでは炭素の微粒子が多く黒色の煙となり,不完全燃焼では黒色が濃くなる。製鉄所などから発生する赤い煙は,おもに酸化鉄の微粒子である。白い煙は水蒸気のミストが多い。また灰といわれる無機物が微粒子となって煙に含まれている場合も多い。煙の濃度をはかるにはリンゲルマンの濃度表があり,煙突からの煙の黒さを白から真黒まで5段階に分けて眼で観察するが,この方法は大気汚染防止法の測定法としては使われていない。光電管を用いて測定する方法も開発されている。また大気拡散の実験にも煙が用いられることがある。なお煙の中に含まれる煤や硫酸微粒子は,大気中の水蒸気を凝結させる核となり,霧やスモッグを発生させる原因となる。

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百科事典マイペディア 「煙」の意味・わかりやすい解説

煙【けむり】

普通直径0.1〜1μm程度の固体微粒子が大気中に浮遊している状態をいうが,液体微粒子を多量に含むものもある。一般に有機物の不完全燃焼によって生ずることが多く,この場合炭素微粒子のほかに各種揮発性物質,水滴などを含む。ほかに塩化水素とアンモニアの反応によって生ずる塩化アンモニウムの白煙,金属や黄リンなどの燃焼で生ずる酸化物の煙など。人工降雨(ヨウ化銀の煙),信号用の発煙筒,煙幕などの利用面がある。煙と霧が混じって見通しが悪くなった状態がスモッグ。→煙霧質

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デジタル大辞泉プラス 「煙」の解説

1925年公開の日本映画。監督・脚本:伊藤大輔、撮影:杉山公平。出演:岡田時彦、森静子、関操、伊藤みはるほか。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【薫蒸】より

…また青酸ガスはかつてはかんきつ類の立木薫蒸などに用いられたが,近年は新しく開発された散布剤におきかえられ,現在ではあまり用いられていない。 薫蒸剤に似た薬剤に薫煙剤smokeがある。これは助燃剤や加熱剤と農薬を混合したもので,点火・燃焼させると発生する熱で有効成分が煙となって蒸散し,作用を発揮する。…

【防火】より

…(2)消火・防火 火事になっても拡大させないよう消火したり,防火区画を設けて火を抑えたりすること。スプリンクラー設備は有力な消火手段であり,防火戸の閉鎖は火炎や煙の拡散を防ぐために不可欠であることなどがその例である。(3)類焼防止 隣棟など外部で発生した火災から自分の建物を守り,燃え移らせないようにすること。…

※「煙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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