裏組(読み)ウラグミ

デジタル大辞泉 「裏組」の意味・読み・例文・類語

うら‐ぐみ【裏組】

近世邦楽で、教習の便宜上、楽曲を分類したものの一。三味線組歌こと組歌などにある。三味線組歌では破手はで組の次に、箏組歌では表組の次に教授する。⇔表組

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精選版 日本国語大辞典 「裏組」の意味・読み・例文・類語

うら‐ぐみ【裏組】

  1. 〘 名詞 〙 邦楽で、教習上の都合により楽曲を分類したものの一つ。⇔表組
  2. 三味線組歌の一つ。柳川検校の作で、「賤(しず)」「錦木」「青柳」「早舟」「八幡」「翠簾(みす)」「なよし」の七曲より成る。
  3. 箏組歌の一つ。貞享年間(一六八四‐八八)、八橋検校にならって制定。「雲上(くものうえ)」「薄衣(うすごろも)」「桐壺」「須磨」「四季曲」「扇曲」「雲井曲」の七曲より成る。

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改訂新版 世界大百科事典 「裏組」の意味・わかりやすい解説

裏組 (うらぐみ)

邦楽の分類用語。とくに箏・三味線の組歌の分類に用いる。組歌は箏・三味線ともに伝承教習上の規範曲として重要視され,楽曲の構造,風格,難易度などにより分類されるようになった。組の分け方は表,裏,中,奥などに分けるが,流派,歌本,譜本によって異同がある。箏組歌では付物である段物弄斎ろうさい)物も組の分類に加える。箏組歌の裏組(《薄衣(うすごろも)》《桐壺》など)は,旋律構造が類型的な表組に対して変化のある曲が分類されており,譜本による異同がはなはだしい。三味線組歌の裏組(《賤》《錦木》など)は柳川検校により作曲付加されたものであるが,形式は本来の本手七曲(表組)に近い。胡弓本曲でもこの分類用語を用いる。
組歌
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