表組（読み）オモテグミ

デジタル大辞泉

おもて‐ぐみ【表組】

近世の邦楽で、教習の便宜上、楽曲を分類したものの一。三味線組歌・箏こと組歌などにあり、いずれもいちばん初歩の組となっている。三味線組歌では本手組と同じ。⇔裏組。

ひょう‐ぐみ〔ヘウ‐〕【表組（み）】

印刷の組版などで、表の形式で文字を組むこと。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

おもて‐ぐみ【表組】

1. 〘 名詞 〙 近世の邦楽で、教習上の都合により楽曲を分類したものの一つ。⇔裏組。
2. ① 三味線組歌の一つ。石村検校作曲。琉球組、飛騨組などがある。本手組。
3. ② 箏組歌の一つ。八橋検校が①にならって制定。「菜蕗(ふき)」「梅ケ枝」「心尽」「天下泰平」「薄雪」「雪晨(ゆきのあした)」「雲の上」の七曲に「六段」のような段物や新曲がついたもの。ただし、流派によって多少その配列が異なる。

出典　精選版 日本国語大辞典

改訂新版　世界大百科事典

表組 (おもてぐみ)

邦楽の分類用語。箏，三味線の組歌の伝承教習上の分類に用い，規範的・類型的な旋律形態のものが表組に分類されている。箏組歌では八橋検校の《菜蕗（ふき）》《梅枝（うめがえ）》など6曲あるいは7曲と後の新曲のいくつかがこれに属し，三味線組歌では石村検校の本手組7曲（《琉球組》《鳥組》など）を表組ともいう。胡弓本曲でもこの分類用語を用いる。
→裏組
執筆者：三谷 陽子

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」