(読み)キュウ(その他表記)qiú

デジタル大辞泉 「裘」の意味・読み・例文・類語

きゅう【裘】[漢字項目]

[音]キュウ(キウ)(漢) [訓]かわごろも
獣の毛皮で作った衣服。皮ごろも。「裘葛きゅうかつ狐裘こきゅう

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精選版 日本国語大辞典 「裘」の意味・読み・例文・類語

きゅうキウ【裘】

  1. 〘 名詞 〙 獣類の毛皮で作った衣服。かわごろも。けごろも。
    1. [初出の実例]「白狐の裘(キウ)の用として、〈略〉年経る狐を求めしめ玉ふにより」(出典読本繁野話(1766)二)
    2. [その他の文献]〔中論‐虚道〕

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普及版 字通 「裘」の読み・字形・画数・意味


13画

[字音] キュウ(キウ)
[字訓] かわごろも

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
求+衣。篆文字形は衣中に求を加える。求は獣皮の象。〔説文〕八上に「皮衣なり」とし、求(きゆう)声とするが、求は裘の初文。また「一に曰く、象形と同なり」という。(衰)(さい)は衣に麻(まてつ)を加えた服喪の衣で、裘とは何の関係もない。

[訓義]
1. かわごろも、けごろも。

[古辞書の訓]
和名抄〕裘 加波岐奴(かはぎぬ) 〔名義抄〕裘 カハコロモ・カハギヌ

[熟語]
裘衣・裘裘褐裘溲裘裳・裘・裘馬・裘裘冕裘領
[下接語]
安裘・裘・褐裘・箕裘・衾裘・軽裘・霓裘・裘・虎裘・好裘・羔裘・車裘・毳裘・裘・裘・裘・大裘・袒裘・短裘・貂裘・裘・敗裘・白裘・反裘・皮裘・被裘・表裘・文裘・敝裘・弊裘・冕裘・黼裘・尨裘・羊裘・擁裘・良裘・狼裘鹿裘

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改訂新版 世界大百科事典 「裘」の意味・わかりやすい解説

裘 (かわごろも)
qiú

中国で,昔から冬の寒さを防ぐために着用した毛皮。いろいろな動物の毛皮を用いたが,狐と羔(こう)(黒い小羊)が最も有名。一般に毛の方を外に出し,歴代,裘工(きゆうこう)を置いて製作にあたらせた。裘のなかでもっとも貴重でえがたい物は狐白裘(こはくきゆう)であった。一般の狐裘は黄色であるが,これは狐のわきの下の白毛をたくさん集めて成り,軽くて暖かかった。昔,孟嘗君(もうしようくん)所有の狐白裘は値千金といわれ,鶏鳴狗盗(けいめいくとう)の故事で名高い(《史記》巻七十五孟嘗君伝)。
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