褐鉛鉱
かつえんこう
vanadinite
塩素を含む正バナジン酸第一鉛の鉱物。燐灰石系鉱物の一員。各種鉛鉱床の酸化帯中にほかの鉛二次鉱物と共存するほか、鉛の初生鉱物を含まないような鉱床からの産出例もある。また多くの場合、バナジウムの初生鉱物は確認されていないので、この鉱物自体初生鉱物である可能性もある。バナジン鉛鉱とも称されるが、ほかにも鉛を主成分とするバナジン酸塩鉱物があるため、この名称を使用しない研究者もある。日本では、静岡県で浅熱水性の金・銀鉱脈の脈石をなす石英の集合中に産し、また岩手県三陸町(現、大船渡(おおふなと)市三陸町)で花崗(かこう)岩質ペグマタイト中から報告されている。自形は六角柱状。比較的単純な結晶面からなる。命名は化学成分にちなむ。
[加藤 昭]
褐鉛鉱(データノート)
かつえんこうでーたのーと
褐鉛鉱
英名 vanadinite
化学式 Pb5[Cl|(VO4)3]
少量成分 Ca,As,P
結晶系 六方
硬度 2.5~3
比重 6.95
色 橙赤,褐赤,褐,黄
光沢 亜金剛~亜樹脂
条痕 白~帯黄
劈開 無
(「劈開」の項目を参照)
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
Sponserd by 
かつえんこう
褐鉛鉱
vanadinite
化学組成Pb5(VO4)3Clのりん灰石上族のりん灰石族に属する鉱物。六方晶系,空間群P63/m,格子定数a1.033nm, c0.734,単位格子中2分子含む。短~長柱状結晶で,稜は鋭く面は滑らかだが,曲面をなすものあり。橙赤,ルビー紅ないし褐色で亜透明~不透明,樹脂状光沢あり。条痕白~帯黄。硬度2.5~3,比重6.86(実測値),6.953(計算値)。顕微鏡下で一軸性負,屈折率ε2.350, ω2.416(VがAsまたはPで,PbがCaで置換されると低くなる)。硝酸や塩酸に容易に溶ける。主として鉛鉱床の酸化帯の二次鉱物。バナジウムと鉛の鉱石。日本名は鉱物の色と主成分の鉛,英名は主成分のバナジウムから命名。
執筆者:青木 義和
参照項目:燐灰石上族
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
Sponserd by 