西ガーツ山脈(読み)ニシガーツサンミャク(その他表記)Western Ghats

デジタル大辞泉 「西ガーツ山脈」の意味・読み・例文・類語

にしガーツ‐さんみゃく【西ガーツ山脈】

Western Ghats》インド半島西岸を南北約1600キロメートルにわたって走る山脈。平均1000メートル前後、最高点は南部にあるアナイムディ山(標高2695メートル)。西側は急斜面アラビア海に迫り、東側は緩やかでクリシュナ川ゴダバリ川などの源流がある。チークサンダルウッドを産する。アジアゾウトラなどの野生動物が生息し、固有の動植物種が多い。2012年に世界遺産自然遺産)に登録された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「西ガーツ山脈」の意味・わかりやすい解説

西ガーツ山脈
にしがーつさんみゃく
Western Ghats

インド半島の西岸を、北はタプティ川河口から南はコモリン岬まで1600キロメートルにわたって連なる山脈。インド地塊の西縁をなし、西斜面が急崖(きゅうがい)をなす一方、東斜面は概して緩やかで、デカン高原を東流するゴダバリ、クリシュナ、カーベリなどの大河川の源流地域をなす。平均して900~1500メートルの標高であるが、南部にドダ・ベッタ山(2636メートル)、アナイムディ山(2695メートル)などの高所がある。夏の南西季節風の影響により、山地部の雨量は年4000ミリメートル以上に及ぶ所もあるが、風下側のデカン高原では年1000ミリメートル以下となり、干魃(かんばつ)に悩む。西斜面の熱帯林からはチークやサンダルウッドなどが切り出され、所によってはゴム、コショウなどが栽培される。近年は山地の豊富な雨水を利用するいくつかの大貯水池がつくられ、デカン高原の灌漑(かんがい)に役だっている。

[貞方 昇]

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世界遺産詳解 「西ガーツ山脈」の解説

にしガーツさんみゃく【西ガーツ山脈】

2012年に登録された世界遺産(自然遺産)。インドのデカン半島の西側にそびえる西ガーツ山脈は、アラビア海からの湿潤な風が当たり、海側に大量の雨を降らせる一方で、デカン高原側に乾燥した風を吹き下ろしている。高山森林の生態学的システムは、インドのモンスーン気候に影響を与え、この地方の熱帯性気候を穏やかなものにしている。しかもインド亜大陸を流れるいくつもの大河の水源であり、その地形的な特性によって、生物物理学的かつ生態学的にも計り知れない重要性をもっている。さらに西ガーツ山脈は、生物多様性に関する8つのホットスポットの1つであり、人類による破壊の危機に瀕している生物を多種擁する地域。インド亜大陸は、アフリカと地続きだったものが、1億3000万年前に離れ、その後、ユーラシア大陸に衝突したという特殊な経緯があり、固有の動植物種も多く、絶滅危惧種の少なくとも325種の生息地である。◇英名はWestern Ghats

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改訂新版 世界大百科事典 「西ガーツ山脈」の意味・わかりやすい解説

西ガーツ[山脈] (にしガーツ)

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