ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホットスポット」の意味・わかりやすい解説
ホットスポット[地殻]
ホットスポット[ちかく]
hotspot
ホットスポット[原子炉]
ホットスポット[げんしろ]
hot spot
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翻訳|hot spot
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エネルギーや化学物質が特別に高い値を示したり、ときに犯罪が多発する地域など、さまざまな事象が周辺部よりも顕著に生じる特殊な地点や環境をいう。2011年(平成23)3月に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故が原因で放射性物質が飛散し、局地的に空間放射線量が高くなっている地点がホットスポットとよばれたことにより、広く使われるようになった。
福島第一原子力発電所事故では、当初、放射性物質の発生源である発電所から同心円状の地域で放射能汚染が深刻化することが予想されたが、自治体などの調査から東日本の広い地域で局地的に高い放射線量を示す地点が次々と明らかになった。放射能汚染はヨウ素や特定のセシウムなどの放射性物質が空間に飛散して広がることによる。このとき、放射性物質は空気中のちりなどに付着し、風の影響で遠くへ運ばれ、雨や雪などが降れば、いっしょに地表へ落ちると考えられている。そのため、事故発生後数日間の発生源と天候の状態がとくに汚染と関係していることがわかり、放射性物質を帯びた雲による降雨があった発電所の北西方向の福島県の広い地域や、関東平野に点在する雨が降った地域などで高放射線量地点が確認された。さらに細かく放射線量を測定していくと、水が集まる排水溝や落ち葉が風で吹きだまる所、河川の一部分や下水処理施設など、風や雨水に含まれる放射性物質が集まってとどまる場所に、ホットスポットが生じていた。該当地域では放射性物質を洗い流す、あるいは、土壌ごと除去する方法で除染が行われている。
[編集部]
広い海盆の中にあって、マントルの奥深くからのマグマの熱流がちょうど大気中の竜巻のようにクラストを通って噴出している所。海洋地球物理学の用語。ハワイ島はホットスポットの上にできた火山島の典型である。1960年代から1970年代にかけて、アメリカのウィルソンやモルガンによって提唱された。この仮説の重要な点はプレートテクトニクス理論において、ホットスポットがマントル深部に固定した座標系を与え、プレート(板状岩石圏)の絶対運動を決めることにある。この説によれば、ハワイ諸島や大西洋のワルビス海嶺(かいれい)のように地震活動のない海嶺は、マントル深部に起源をもつマグマの上を海洋底拡大によるプレートが運動したためできた火山群である。これはハワイ諸島から天皇海山群に至る一連の海山群の年代配列でほぼ認められている。ホットスポットは世界で140か所もあるとする学者もあり、海洋底プレートの絶対運動の規準を与える可能性の一つとして注目を集めている。
なお、これと似た現象に海底の熱水鉱床があるが、これは大洋の中央海嶺などで海底の割れ目にしみ込んだ海水が海底近くの熱源で熱せられ噴き出してできたもので、ホットスポットとはその存在する場所、成因が異なる。
[半澤正男]
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