大陸東岸と比較したとき,大陸西岸地域に発達する気候をいい,東岸気候に対する言葉。同じ緯度の大陸西岸と東岸を比較すると,中緯度および高緯度地方では西岸が高温・多雨で,東岸が低温・少雨であり,低緯度地方ではこの傾向が逆となり,前者が低温・少雨,後者が高温・多雨である。夏は冬に比べてこの傾向が逆になるところが多いが,同じ傾向を示すところもかなりある。一般に西岸気候は東岸気候に比べて温和で,高・低緯度間の気温差も小さく,降水も東岸に比べ高緯度で多雨,低緯度では比較的少雨である。これは大陸の西岸では高緯度で低気圧などのじょう乱がよく発達し,このようなじょう乱は空気の南北混合をもたらし,多量の熱や水蒸気を低緯度から高緯度へ輸送し,雨をもたらすためである。また,低緯度には高緯度からの比較的冷たい空気が運ばれ,気温については南北方向の傾度がゆるむためである。
執筆者:山下 脩二
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大陸の西岸地方に特徴的にみられる気候。とくに温帯では、大陸の西岸と東岸の差が顕著であるため、大陸東岸の気候と対比していう。一般には西岸は東岸に比べて気温の年較差が小さく温和で、年降水量は少ない。しかし細かくみていくと、西岸は東岸に比較して、冬には中・高緯度で温和多雨であり、夏は涼しく少雨の所が多い。また西岸低緯度は一部の地域の冬を除いて比較的少雨である。西岸と東岸の差異は、日本人には西欧と東洋の風土の違いとして実感されている。西岸気候の成因は、偏西風の季節変動と地表の高・低気圧の季節による位置変動から説明が可能で、東岸と比べ季節風が発達せず、大気の南北混合が活発なことにある。
[小林 望・福岡義隆]
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