西米良(読み)にしめら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「西米良」の意味・わかりやすい解説

西米良(村)
にしめら

宮崎県西部、児湯郡(こゆぐん)にある村。西都(さいと)市東米良地区とあわせて米良荘(めらのしょう)(米良山)とよばれた。一ツ瀬(ひとつせ)川の上流にあり、市房(いちふさ)山や石堂(いしどう)山など九州山地がそびえる。国道219号、265号が通る。近世人吉藩(ひとよしはん)領であったが、菊池氏の下、米良千本槍(やり)という独特の屯田兵(とんでんへい)制を敷いた。主産業は林業シイタケ、山茶(やまちゃ)、ユズ栽培など。かつては焼畑が各地に分布した。歴史民俗資料館に国指定重要有形民俗文化財の焼畑農耕用具が展示されている。中心地は村所(むらしょ)。九州中央山地国定公園に属す。面積271.51平方キロメートル、人口1000(2020)。

[横山淳一]

『『西米良村史資料』(1961・本庄高等学校)』『『西米良村史』(1973・西米良村)』


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改訂新版 世界大百科事典 「西米良」の意味・わかりやすい解説

西米良[村] (にしめら)

宮崎県西部,児湯(こゆ)郡の村。人口1241(2010)。一ッ瀬川上流の九州山地にあり,熊本県境には市房山(1721m)がそびえる。西都市東米良地区とともに米良荘とよばれた。江戸時代には米良氏が肥後人吉藩の委嘱を受けて支配した。一ッ瀬川の河谷にわずかな耕地があり,村所(むらしよ)などの小集落が散在するが,大半起伏の激しい山林で,木材のほかシイタケ,ユズ,山茶,竹製品などの生産が行われている。隔絶地であったため,米良神楽など固有の芸能や民俗が伝わる。河谷に国道219号,265号線が通じ,交通は便利になったが,過疎化も著しい
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