市房山(読み)いちふさやま

日本大百科全書(ニッポニカ)「市房山」の解説

市房山
いちふさやま

熊本県水上村(みずかみむら)、宮崎県椎葉村(しいばそん)、西米良村(にしめらそん)の界にある山。標高1721メートル。九州山地中の高峰で、花崗(かこう)岩からなる。一ツ瀬川(ひとつせがわ)および球磨川(くまがわ)の源流地帯にあたる。宮崎県側は山頂部付近で傾斜が緩く、中腹から山麓(さんろく)にかけて一ツ瀬河谷に面して急傾斜となる。一方、熊本県側では中腹から上部が険しい急斜面をなす。山頂は展望に優れ、東部は石堂(いしどう)山、西部は湯山盆地と市房ダム、遠くは人吉(ひとよし)盆地、霧島山を眺望できる。また、山頂部にはアケボノツツジ群落があり、むき出しの花崗岩とともに景観を構成する。表玄関は水上村湯山で、中腹にお岳参りで知られる市房神社がある。宮崎県側登山口は西米良村槇之口(まきのくち)。九州中央山地国定公園に属する。

[横山淳一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉「市房山」の解説

いちふさ‐やま【市房山】

熊本県南東部・宮崎県西部の県境にある山。九州山地の高峰の一。標高1721メートル。熊本県側に流れる球磨くまと宮崎県側に流れる一ツ瀬川の源流。山頂から人吉盆地霧島山を眺望できる。また、山頂にはアケボノツツジの群落が見られる。古くから信仰登山が行われ「御岳おんたけさん」と呼ばれて親しまれた。中腹に市房神社がある。九州中央山地国定公園に属する。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「市房山」の解説

市房山
いちふさやま

熊本県宮崎県の県境にある山。九州山地南部の高峰で,標高 1721m。花崗閃緑岩からなる残丘で,壮年期的地形を示す。古くから信仰の対象で西部山腹(熊本県水上村)にスギの木立ちに囲まれた市房神社がある。モミツガケヤキなどの原生林に覆われ,山頂からの眺望がよい。熊本県側の登山口は湯山温泉,宮崎県側は槇ノ口。付近一帯九州中央山地国定公園に属する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版「市房山」の解説

いちふさやま【市房山】

宮崎県児湯(こゆ)郡・東臼杵郡と熊本県球磨郡の境に位置する山。標高1722m。九州山地の中央部に位置する市房山塊の主峰で,地質は北半分が花コウ岩,南半分は中生代の四万十(しまんと)層群からなる。全体として急峻な地形であるが,西側山麓に広大な緩斜面がみられ,湯山温泉が登山基地になっている。中腹のモミ,ツガ,山麓のブナカシなど巨木がおおっており,シャクナゲなどの原生林もみられ,一帯は両県とも県立自然公園となっている。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報