デジタル大辞泉 「見立てる」の意味・読み・例文・類語 み‐た・てる【見立てる】 [動タ下一][文]みた・つ[タ下二]1 見て選び定める。選定する。「着物の柄を―・てる」2 病気を診断する。また、鑑定する。「医者が―・てたところでは軽傷らしい」「絵を―・てる」3 別のものになぞらえる。仮にそのものと見なす。「市街の中央を流れる川を京都の鴨川に―・てる」4 見送る。「赤駒が門出をしつつ出でかてにせしを―・てし家の児らはも」〈万・三五三四〉5 世話をする。後見する。「せめて三十二、三までとっくと―・て」〈浄・生玉心中〉6 軽く扱う。見くびる。「さても人を―・てるやつかな」〈浮・一代男・五〉[類語]たとえる・なぞらえる・見なす・擬する 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「見立てる」の意味・読み・例文・類語 み‐た・てる【見立】 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]みた・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙① しっかり見定めて立てる。[初出の実例]「天の御柱を見立(みた)て、八尋殿(やひろどの)を見立(みた)てたまひき」(出典:古事記(712)上)② 見て、適当なものを選び出す。見こみをつけて良い悪いを定める。よいものを選ぶ。目をつける。[初出の実例]「なげの御すさみにてもおしなべたる世の常の人をばとどめみたて給はず」(出典:青表紙一本源氏(1001‐14頃)蓬生)③ 人が出発するのを見送る。門出を見送る。[初出の実例]「赤駒が門出をしつつ出でかてにせしを見多弖(みタテ)し家の児らはも」(出典:万葉集(8C後)一四・三五三四)④ 世話をする。養成する。後見する。[初出の実例]「我子は捨て、其後妹が一子を見立(みタテ)」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)五)⑤ 目の前にあるものを、それと共通点のある別のものだと仮に見なしたり扱ったりする。なぞらえる。[初出の実例]「わがすきは横のひらたい雲の帯 白楽天は何と見たつる」(出典:俳諧・西鶴大矢数(1681)第七)⑥ 物事を判断する。病状を診察する。診断する。[初出の実例]「贔屓目(ひいきめ)から見たてました」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)五)⑦ 見くびる。軽蔑する。[初出の実例]「彼役者共は、元より擦れの革なれば、それぞれに見たてて」(出典:仮名草子・都風俗鑑(1681)三)⑧ 遊客が相方の女郎を選ぶ。[初出の実例]「女は二人、貴殿どちらをお見立なさった」(出典:歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)三立) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例