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討論型世論調査 トウロンガタヨロンチョウサ

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デジタル大辞泉の解説

とうろんがた‐よろんちょうさ〔タウロンがたよロンテウサ〕【討論型世論調査】

通常の世論調査を実施した後、回答者の一部に資料や情報を提供し、十分な討論を経たうえで、再度同じアンケートを行い、意見の変化をみる社会的実験。デリバレイティブポーリング。DP(deliberative polling)。
[補説]「Deliberative Polling」は1988年にこの手法を考案した米国の政治学者フィシュキンが所属するスタンフォード大学登録商標

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

討論型世論調査

あるテーマについて参加者に議論してもらい、その前後で考えがどう変わるかをみる調査の手烹普通の世論調査と違い、資料をみたり人の意見を聞いたりして考えたうえでの意識を調べられる。政府が国の政策をテーマに実施するのは初めて。

(2012-08-22 朝日新聞 夕刊 1総合)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

討論型世論調査
とうろんがたよろんちょうさ

世論調査に、調査対象者が討論して対象テーマへの知見や理解を深める「熟議」を組み込んだ調査手法。無作為抽出による世論調査の回答者から討論会への参加者を募り、資料を参考にした小集団での討論や専門家との質疑を経たうえで、あらためて最初と同じテーマのアンケート調査を行い、意見がどのように変化するかを探る方法をとる。1988年にアメリカスタンフォード大学教授フィシュキンJames S. Fishkin(1948― )らによって考案された社会実験で、その名称Deliberative Polling(DP)は同大学CDD(Center for Deliberative Democracy)の登録商標である。
 通常の1回限りの世論調査は、年齢、性別、地域などに偏りがないように調査できる利点があるものの、知識の少ないテーマについては、思い付きの回答が混ざってしまう欠点があった。しかし討論型世論調査では対象者が一定時間考え抜いたうえで意見を求めるため、思い付きの回答を排除できるという利点がある。一方で、「討論会参加者はもともとテーマに関心のある人となりがちで、統計学的な無作為性を維持できない」「討論の段階で、一方向に議論が偏る危険性がある」との指摘もあり、経済学者の間には「討論型世論調査は社会的実験の段階にある」との意見もある。
 DPは1994年にイギリスで最初の調査実験が行われた。スタンフォード大学の調べでは、2012年までに少なくとも世界の17か国・地域で調査が実施されている。調査テーマは「治安と犯罪」(1994年、イギリス)、「ユーロへの通貨統合をめぐる国民投票」(2000年、デンマーク)、「移民政策」(2007年、イタリア)など公共政策全般にわたっている。日本では2009年(平成21)に神奈川県が「道州制の是非」をテーマに初めて実施し、藤沢市、慶応大学、北海道大学などが行っている。2012年夏には日本の民主党政権が「2030年の電力に占める原子力発電依存度をどうするか」というテーマで討論型世論調査を実施した。全国から無作為に選んだ6849人に電話質問し、このうち討論会に集まった285人を対象に同調査を実施、「原子力発電所をなるべく廃止する」という意見が32.6%から討論後は46.7%に増えた。この結果を踏まえ、当時の古川元久国家戦略大臣は新たなエネルギー政策について「原発に依存しない社会をつくる方向性で戦略をまとめる」と述べた。[編集部]
『ジェイムズ・S・フィシュキン著、曽根泰教監修、岩本貴子訳『人々の声が響き合うとき――熟議空間と民主主義』(2011・早川書房)』

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