医療金融公庫(読み)いりょうきんゆうこうこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「医療金融公庫」の意味・わかりやすい解説

医療金融公庫
いりょうきんゆうこうこ

1960年(昭和35)7月に設立された全額政府出資の政府金融機関。85年社会福祉事業振興会と合併し、社会福祉・医療事業団(現独立行政法人福祉医療機構)となった。設立目的は、「国民の健康な生活を確保するに足る医療の適正な普及向上に資するため、私立病院診療所等の設置およびその機能の向上に必要な長期かつ低利資金であって、一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通すること」であった。貸付対象は病院等を経営する医療法人等の施設の設置、整備または運営に必要な資金であり、大部分業務委託契約を結んでいる銀行を通して貸し付ける代理貸付であった。

[原 司郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「医療金融公庫」の意味・わかりやすい解説

医療金融公庫
いりょうきんゆうこうこ

医療金融公庫法 (昭和 35年法律 95号) に基づいて設立された政府金融機関。政府からの出資金および資金運用部からの借入金を資金源に,病院,診療所,薬局または助産所の設置,整備,あるいはそれらの運営に必要な資金を個人,医療法人,公益法人,社会福祉法人,学校法人などに対して,銀行などを窓口にして長期かつ低利で融資することを目的としてきた。 1985年に社会福祉事業振興会と統合し,新たに発足した特殊法人社会福祉・医療事業団 (2003年 10月,独立行政法人福祉医療機構移行) に業務が引き継がれた。

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百科事典マイペディア 「医療金融公庫」の意味・わかりやすい解説

医療金融公庫【いりょうきんゆうこうこ】

私立の病院診療所等の整備に必要な長期かつ低利の資金で,一般の金融機関が融通することが困難なものを融通するために,医療金融公庫法に基づき1960年に設立された法人。全額政府出資。1985年,社会福祉事業振興会と統合,新たに社会福祉・医療事業団となり,さらに2003年独立行政法人・福祉医療機構となった。

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世界大百科事典(旧版)内の医療金融公庫の言及

【公庫】より

…100%政府出資の政府金融機関で,国民金融公庫住宅金融公庫,農林漁業金融公庫,中小企業金融公庫,北海道東北開発公庫,環境衛生金融公庫,公営企業金融公庫,中小企業信用保険公庫,沖縄振興開発金融公庫がある(1996年末現在)。これらの公庫は,おもに財政投融資資金などの政府資金を,それぞれの公庫が担当する特定分野に低利で貸し付け,政府が行政目的を遂行する一助にされる。民間金融機関の機能を補完する金融業務をおもな事業目的とする点で公社・公団と異なる。…

※「医療金融公庫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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