(読み)ユウ

デジタル大辞泉 「誘」の意味・読み・例文・類語

ゆう【誘】[漢字項目]

常用漢字] [音]ユウ(イウ)(漢) [訓]さそう いざなう
言葉をかけてみちびく。こちらになびくように仕向ける。さそう。「誘掖ゆうえき誘拐誘致誘導誘惑勧誘
ある事が別の事を引き起こす。「誘因誘爆誘発

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「誘」の意味・読み・例文・類語

いざ‐ない‥なひ【誘】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「いざなう(誘)」の連用形名詞化 ) いざなうこと。さそうこと。すすめること。さそい。
    1. [初出の実例]「坤は不(イサナイヲ)」(出典:土井本周易抄(1477)一)
    2. 「朋友義詮師の誘引(イサナヒ)によりて大和路におもむき」(出典:妙好人伝(1842‐52)初)

さそいさそひ【誘】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「さそう(誘)」の連用形の名詞化 ) さそうこと。いざなうこと。また、おびき出すこと。誘引。勧誘。
    1. [初出の実例]「くらまへ同道いたひて参らふとぞんじて、さそひにまいった」(出典:虎明本狂言・連歌毘沙門(室町末‐近世初))
    2. 「膳を出す摸様なければ、最うドンでもござらうかと客方より誘ひを掛ければ」(出典:当世商人気質(1886)〈饗庭篁村〉二)

そび【誘】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「そびく(誘)」の名詞形「そびき」の略か ) そそのかすこと。さそうこと。→そびをかう

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普及版 字通 「誘」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(異体字)
11画

[字音] ユウ(イウ)
[字訓] いざなう・さそう・あざむく

[説文解字]

[字形] 形声
声符は秀(しゆう)。秀に(ゆう)の声がある。〔説文九上正字とし、その重文として誘・および古文をあげている。誘が通用の字。〔玉〕に「相ひめて動かすなり」とあって、誘掖・誘導の意であるが、また巧詐・誘惑の意にも用いる。

[訓義]
1. いざなう、さそう。
2. みちびく、すすめる。
3. あざむく、まどわす、いつわる。

[古辞書の訓]
名義抄〕誘 コシラフ・ヲシフ・サソフ・ヤトフ・ススム・ツツシム・アザムク・オコツル・スクフ・ミチビク・ミチビカヌカ・ヤトフ

[熟語]
誘引・誘因・誘掖・誘益・誘拐誘誨誘勧誘騎誘脅・誘殺・誘・誘・誘進・誘然・誘致誘衷・誘導・誘納誘慕誘諭誘喩・誘惑
[下接語]
慰誘・掖誘・化誘・開誘・誨誘・懐誘・外誘・勧誘・教誘・誑誘・巧誘・招誘・善誘・知誘・挑誘・導誘・敦誘・奔誘・利誘


11画

(異体字)誘
14画

[字音] ユウ(イウ)
[字訓] いざなう・さそう

[説文解字]

[字形] 象形
(ゆう)に厶(し)を加えた形。厶はおそらく辮髪を垂れている形であろう。卜文の羌(きよう)には、辮髪の象を加えるものがあり、▽の形にかかれている。チベット系にその遺俗がある。〔説文〕九上に「相ひ呼(しゆつこ)するなり。厶に從ひ、に從ふ」と会意に解する。厶を姦邪の義とし、姦邪を以て相誘引する義とするものであろう。重文として誘・(ゆう)および古文を録している。

[訓義]
1. いざなう、いざないよぶ。
2. さそう。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 と同じ。誘と同じ。ミチビク・ススム・ヨシ・コシラフ・コシナニ・イザナフ

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