誘導コイル(読み)ユウドウコイル(その他表記)induction coil

翻訳|induction coil

デジタル大辞泉 「誘導コイル」の意味・読み・例文・類語

ゆうどう‐コイル〔イウダウ‐〕【誘導コイル】

一次コイルに流れる直流電流をすばやく断続させ、電磁誘導によって二次コイルに高電圧を発生させる装置真空放電自動車点火装置などに利用される。感応コイル

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精選版 日本国語大辞典 「誘導コイル」の意味・読み・例文・類語

ゆうどう‐コイルイウダウ‥【誘導コイル】

  1. 〘 名詞 〙 ( コイルは[英語] coil )
  2. 電気エネルギー磁気エネルギーに変え、さらに、火花などの熱エネルギーに変えるために用いられる一次コイルだけを持ったコイル。自動車などの点火火花発生器に用いられる。インダクションコイル
  3. 一次コイルと二次コイルを持ち、一次コイルに流れる電流を断続して二次コイルに高電圧を発生させるようにした装置。感応コイル。インダクションコイル。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「誘導コイル」の意味・わかりやすい解説

誘導コイル
ゆうどうこいる
induction coil

電磁誘導現象を利用して、低電力を発生させるコイル。構造の主要部分は、軟鉄棒の周りに太い銅線を数回巻いて一次コイルとし、絶縁物を介して細い銅線を多数回巻いて二次コイルとしたもので、変圧器一種である。機械的に一次側の比較的低電圧の直流を断続して二次側に高電圧の交流またはパルスをつくりだす装置をとくにさす場合もある。その場合の動作原理は次の通りである。のスイッチを閉じると、ばねで引っ張られて閉じている接点を通って一次コイルに電流が流れる。このとき軟鉄棒は電磁石として働き、接点を引き離す。したがって、一次コイルを流れる電流は瞬間的にゼロになり、二次コイルには電磁誘導によって高電圧が生じる。一次コイルを流れる電流がゼロになれば軟鉄棒は電磁石の作用を失うから、接点はばねで引き戻されて閉じ、電流はふたたび一次コイルを流れる。この繰り返しによって、二次コイルには高電圧が繰り返し生じる。一次コイルに並列に接続されているコンデンサーは、直流から交流への変換の効率を高める働きをする。エンジン用の場合、イグニッションコイル点火コイル)ともよばれる。

布施 正・吉澤昌純]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「誘導コイル」の意味・わかりやすい解説

誘導コイル
ゆうどうコイル
induction coil

感応コイルともいう。巻数比の大きい一種の変圧器で,一次コイルに流す低圧の直流を断続し,相互誘導を利用して二次コイルに高圧の電流を得る装置。絶縁した軟鉄線を束ねた鉄芯に,太い導線を巻いた一次コイルと,その上に細い導線を多く巻いた二次コイルとから成る。普通は断続する接点の間に並列にコンデンサを入れて,接点にアーク放電が生じるのを防ぐ。自動車エンジンなどの点火プラグに火花放電させるときの高電圧を得るために誘導コイルが用いられる。

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百科事典マイペディア 「誘導コイル」の意味・わかりやすい解説

誘導コイル【ゆうどうコイル】

電流の断続を利用し電磁誘導により高電圧を得る装置。ドイツのリュームコルフH.D.Ruhmkorff〔1803-1877〕が1851年発明したものが最も広く使われる。絶縁軟鉄線を束ねた鉄心に1次,2次コイルを巻き,自動断続器で1次コイルの低電圧直流を断続し,2次コイルに高電圧交流を得る。

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世界大百科事典(旧版)内の誘導コイルの言及

【リュームコルフ】より

…ドイツのハノーファーに生まれ,パリで活躍した電気機械器具製造家。誘導コイルをつくったことで有名である。ろくろ細工を修業し,しだいに精密加工を専門とするようになった。…

※「誘導コイル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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