日本大百科全書(ニッポニカ) 「調光器」の意味・わかりやすい解説
調光器
ちょうこうき
dimmer
照明の明るさを連続的に調節、増減する電気設備で、電源と照明器具の間の回路に設けられる。明るさを調節する方法として、以前は抵抗器や変圧器を用いていたが、近年の半導体技術の進歩により半導体調光方式が広く用いられるようになった。半導体方式の調光器には、サイリスタの位相制御技術が用いられ、白熱電球に加えて蛍光ランプまで連続的に調光できるようになったが、この場合には調光用安定器が必要である。
一般に調光器という場合、家庭のリビングルームやホテルの客室、飲食店など比較的負荷の小さい照明の調節を行う場合をさし、劇場やテレビスタジオなどの大掛りな照明設備の場合には、調光装置lighting control equipmentまたは調光機と称される。調光装置は、照明光の調節に必要な調光器または調光ユニットと、これと組み合わせる操作部、負荷選択部、プリセット部から構成される。これにより負荷が大電力であっても微小電力で、かつ遠隔操作ができ、複雑な舞台照明のシーンの切り換えも簡単な操作で行える。
[高橋貞雄]