大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済システムから循環型経済システムに移行するための取組みを総合的に推進するための法律。正式名称は「資源の有効な利用の促進に関する法律」(平成3年法律第48号)。通称リサイクル法。2001年(平成13)施行。循環型社会の形成に向け、2000年の通常国会で制定または改正された六つの法律のうちの一つである。本法は、1991年(平成3)に制定された「再生資源の利用の促進に関する法律」の改正法で、改正前の中核であった事業者によるリサイクル(製品の回収や再利用など)対策を拡充し、リデュース(省資源化や製品の長寿命化などによる廃棄物の発生抑制)、リユース(回収品からの部品などの再使用)を新たに行う3R政策の規定が加えられた。とくに事業者に対する3R対策について、10業種、69品目が規定され、製品の設計段階から廃棄に至るまでのリサイクルシステムを構築した取組みについて、その基準が定められた。また、本法の規定に基づき、パソコンの回収とリサイクルがメーカーに義務づけられ、事業系の使用済みパソコンのリサイクル制度が2001年から開始された。さらに、2003年10月以降に販売された家庭系パソコンには、メーカーによる負担で回収と再資源化を行うことを示す、PCリサイクルマークが貼付(ちょうふ)され、パソコン使用者には、この取組みに協力することが求められるようになった。このため、本法の別称として、パソコンリサイクル法が定着している。
本法により具体的な責務が課せられたおもな業種や製品は以下のとおりである。(1)特定省資源業種(副産物の発生抑制が求められる業種) 紙・パルプ製造業、鉄鋼業、自動車製造業など。(2)特定再利用業種(再生資源・再生部品の利用が求められる業種) 紙製造業、ガラス容器製造業、建設業、複写機製造業など。(3)指定省資源化製品(省資源化・長寿命化が求められる製品) 自動車、パソコン、家電製品、パチンコ遊技機、金属製家具、ガス・石油機器など。(4)指定再利用促進製品(リサイクル・リユースしやすい設計が求められる製品) 浴室ユニット、自動車、家電製品、パチンコ遊技機、複写機、金属製家具、パソコン、小形二次電池(密閉形蓄電池)使用機器など。(5)指定表示製品(分別回収を容易にする識別表示が求められる製品) 塩化ビニル製建設資材、スチール製やアルミニウム製の缶、ペットボトル、紙製やプラスチック製容器包装、小形二次電池(密閉形蓄電池)など。(6)指定再資源化製品(事業者による回収やリサイクルが求められる製品) パソコン、小形二次電池(密閉形蓄電池)。(7)指定副産物(再生資源としての利用が求められる副産物) 電気業の石炭灰、建設業の土砂やコンクリートの塊、木材など。
なお、これらの業種や製品の対象事業者の取組みが不十分だった場合、指導・助言、勧告、罰金などの行政措置がとられ、違反者については、50万円以下の罰金や罰則が科せられる。
[編集部 2016年7月19日]
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