ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「赤外線検出器」の意味・わかりやすい解説
赤外線検出器
せきがいせんけんしゅつき
infrared detector
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光検出器のうち,780nm~1mmの波長領域に感度をもつ光電検出器をいう。光子エネルギーが小さいため,禁制帯エネルギーギャップ,あるいは不純物イオン化ポテンシャルの小さな半導体を用いた内部光電効果型検出器や,各種の熱効果型検出器が用いられる。前者は高感度であるうえ時間応答性の優れたものが多く,40~50μm以下の波長域で広く実用されるが,液体窒素や液体ヘリウム温度に保った冷却型が主流を占める。後者は感度は劣るが常温動作が可能であるうえ,広い波長域にわたって波長選択性がない(分光感度特性がある波長範囲内でほぼ平たん)という特徴がある。波長200μm以上の遠赤外からミリ波の領域では,液体ヘリウム温度で働く炭素C,ゲルマニウムGe,ケイ素Siなどを素子としたボロメーター,n型インジウムアンチモンInSbのホットエレクトロン効果を利用した自由電子光導電セル(ボロメーターの一種と考えてよい),ジョセフソン検出器などが高感度検出器として採用される。
執筆者:南 茂夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…可視光の長波長端(波長ほぼ700nm)から電波の短波長端(波長ほぼ1mm)の間の電磁波の総称。光のスペクトルでいうと赤色の部分の外側にあたるのでこの名がある。1800年にイギリスのF.W.ハーシェルが,太陽スペクトルの赤色部分より長波長側に熱効果の大きい部分があることを発見したのが最初である。波長数μm以下を近赤外,波長25μm以上を遠赤外,その間を中間赤外と呼び,また,波長25μm,30μmまたは50μmを境として,それ以上を遠赤外線,以下を近赤外線と総称することもある。…
※「赤外線検出器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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