日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤岩栄」の意味・わかりやすい解説
赤岩栄
あかいわさかえ
(1903―1966)
キリスト教思想家、牧師。愛媛県生まれ。東京神学社で高倉徳太郎に師事。上原教会(現、代々木上原(よよぎうえはら)教会)を牧し、雑誌『言』『指』を発行。戦前はスイスのプロテスタント神学者K・バルトに傾倒するが、戦後、キリスト教と共産主義とが、信仰と実践という異なる次元の真理ゆえに両立しうると主張して、共産党入党宣言を行い、内外に論議を巻き起こした。また晩年には『キリスト教脱出記』を出版し、正統的キリスト教信仰を廃して、人間イエスとの主体的な交わりを説くなど、内部からの鋭い問題提起とキリスト教批判とを行った。
[石川 都 2018年3月19日]
『『赤岩栄著作集』9巻、別巻1(1970~1972・教文館)』