赤縄(読み)セキジョウ

デジタル大辞泉 「赤縄」の意味・読み・例文・類語

せき‐じょう【赤縄】

《昔、韋固いこという青年が異人に会い、袋の中に入っている赤縄で男女の足をつなぐと、どんな間柄でも離れられない仲になるといわれたという唐の「続玄怪録」にみえる故事から》夫婦の縁を結ぶという赤い縄。転じて、夫婦の縁。

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精選版 日本国語大辞典 「赤縄」の意味・読み・例文・類語

せき‐じょう【赤縄】

〘名〙 (夫婦となるべき男女は、早くから目に見えない赤い縄でお互いの足が繋がれており、どんなに避けようとしても結局は結ばれる運命となるという、中国、唐の「続玄怪録」にみえる「定婚店」の故事による) 夫婦の縁を結ぶ赤い縄。また、転じて、夫婦の縁。えにし。
※読本・雨月物語(1776)吉備津の釜「既に聘礼(しるし)を納めしうへ、かの赤縄(セキジャウ)に繋ぎては、仇ある家、異なる域(くに)なりとも易(かふ)べからずと聞くものを」 〔琵琶記‐金閨愁配〕

あか‐なわ ‥なは【赤縄】

〘名〙 (「晉書」に見える) 月下老人が袋に入れて持ち歩き、夫婦の足を結んで婚姻をさせるという赤いなわ。縁結びのなわ。せきじょう。
※雑俳・紀玉川(1819‐25)一「神の曳く赤縄も有り御忌の場(には)

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故事成語を知る辞典 「赤縄」の解説

赤縄

夫婦を結びつける縁のこと。

[使用例] 国府金弥老人と鈴子夫人の間にも、面白からぬ噂があり、出雲神様の赤縄の代りに、極めて現世的な黄金ロープで結び付けられたことは、容易に想像されることであります[野村胡堂*奇談クラブ|1946~48]

[由来] 「続玄怪録」に載っている物語から。七世紀、唐王朝の時代の中国でのこと。という人物が、早朝、まだ暗いうちに歩いていたところ、月明かりの下で、韋固には読めない文字で書かれた書類を見ている、不思議な老人に出会いました。その書類は天界の結婚名簿で、そこに載せられた男女の足を、老人が持っている人間には見えない赤い縄で結ぶと、二人は必ず結婚するのだとのこと。そこで、韋固が自分の結婚相手を教えてもらうと、それはまだ幼い、貧しい娘でした。不満に思った彼は、人を雇ってその娘を殺させようとしましたが、額に傷を負わせただけで、失敗してしまったのでした。それから一四年後、韋固は、ついに気に入った女性とめぐり会い、めでたく結婚をしました。あるとき、妻がいつも隠している額に傷があることに気づいた彼は、彼女に子ども時代のことを尋ねます。すると、実はあのときの貧しい娘だったことがわかり、夫婦の縁の不思議に感じ入ったということです。

〔異形〕運命の赤い糸

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普及版 字通 「赤縄」の読み・字形・画数・意味

【赤縄】せきじよう

縁結び。

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