発行から元本償還までの期間が10年を超える国債。日本では15年、20年、30年、40年の4種類があり、イギリス、フランス、ポーランド、中国では償還50年以上の国債も発行されている。数十年という長期にわたって固定金利で資金を調達することで、金利変動リスクを避け、将来の利払い負担を抑えることができる。日本をはじめ欧米各国とも国債に占める超長期国債の比重が増している。
橋や空港、道路などの社会資本は耐用年数が数十年に及ぶため、資金も超長期で調達しようとの発想で始まった。イギリスの国債発行残高に占める超長期国債の比率が3割を超えるなど、ヨーロッパでは超長期国債発行が定着している。
日本では国債の大量償還に伴う借換債の発行や償還時期が一時期に集中するのを避ける目的で、1983年(昭和58)2月に初めて15年債が発行された。満期まで半年ごとに利子が支払われる固定利付国債(20年、30年、40年)と、利率が変動する変動利付国債(15年国債)がある。もっとも発行量が多いのは20年国債で、超長期金利の指標となっている。
生命保険会社や年金基金などは資産だけではなく負債も長期にわたって管理するALM(Asset Liability Management)を求められており、超長期国債への投資傾向を強めている。政府だけでなく、都道府県や政令指定都市などの地方自治体も超長期にわたる資金調達の必要があり、最近は20年、30年といった超長期地方債を相次いで発行している。
[編集部]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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