(読み)おどろん

精選版 日本国語大辞典 「踊」の意味・読み・例文・類語

おどろん をどろん【踊】

〘名〙 (「おど(踊)ろう」の変化した語) 紙人形両手を竹または針金で長く伸ばし、両端におもりをつけ、中心点を立たせるだけで、直立して倒れないようにしたおもちゃ。指の上にのせ、踊らせて遊ぶ。与次郎人形やじろべえ。つりあい人形。おんどれ。〔随筆・嬉遊笑覧(1830)〕

おどるん をどるん【踊】

※虎寛本狂言・不聞座頭(室町末‐近世初)「手まりやおどるん鞠小弓」

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デジタル大辞泉 「踊」の意味・読み・例文・類語

よう【踊】[漢字項目]

常用漢字] [音]ヨウ(漢) [訓]おどる おどり
おどり上がる。「踊躍
おどり。ダンス。「舞踊

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「踊」の意味・わかりやすい解説


おどり

広く「舞踊」の意に用いる場合と、「舞(まい)」に対する「踊(おどり)」としてその異なる要素を区別していう場合とがある。舞が「まわる」意であるのに対し、踊は躍り上がる跳躍を主とした動きをいい、「踏」「躍」の文字をあてることもある。「舞」は古代から中世に至り、能の舞に完成され、貴族や武家階級に支持されてきたのに対し、「踊」は民衆自身が踊るのが本来の形であり、専門的でなく庶民的性格をもつ。そこに熱狂的な群のエネルギーも生まれる。平安末期からみられる念仏踊風流踊(ふりゅうおどり)、盆踊りなどは踊の系統に属する。この系統から近世の歌舞伎踊(かぶきおどり)が誕生し、「舞」と、物まねの要素をもつ「振(ふり)」を加えて発展していった。今日でも歌舞伎舞踊が日本舞踊の古典として多数を占めるので、広義にいう舞踊の「踊」もこれをさすことが少なくない。しかし、舞踊家の活動により多くの新たな作品が生まれているので、これを不当とする声が高まっている。舞踊の語は明治末以後一般的になっていったが、舞踊の意を京坂では「舞」、江戸では「踊」といった習慣が残っている。

[如月青子]

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