(読み)ヨウ

デジタル大辞泉 「踊」の意味・読み・例文・類語

よう【踊】[漢字項目]

常用漢字] [音]ヨウ(漢) [訓]おどる おどり
おどり上がる。「踊躍
おどり。ダンス。「舞踊

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精選版 日本国語大辞典 「踊」の意味・読み・例文・類語

おどろんをどろん【踊】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「おど(踊)ろう」の変化した語 ) 紙人形の両手を竹または針金で長く伸ばし、両端におもりをつけ、中心点を立たせるだけで、直立して倒れないようにしたおもちゃ。指の上にのせ、踊らせて遊ぶ。与次郎人形やじろべえ。つりあい人形。おんどれ。〔随筆・嬉遊笑覧(1830)〕

おどるんをどるん【踊】

  1. 〘 名詞 〙おどろん(踊)
    1. [初出の実例]「手まりやおどるん鞠小弓」(出典:虎寛本狂言・不聞座頭(室町末‐近世初))

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普及版 字通 「踊」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(異体字)踴
16画

[字音] ヨウ
[字訓] おどる・おどり

[説文解字]

[字形] 形声
声符は甬(よう)。甬は筒形の器、上下に動く意がある。〔説文〕二下に「跳ぶなり」とあり、喪札のとき、胸をうち、足をふんで悲しむことを辟踊(へきよう)という。〔詩、風、撃鼓〕「踊(ようやく)して兵を用ふ」は勇武のさま。また義足を踊という。字はまた踴に作る。

[訓義]
1. おどる、とぶ、とびあがる。
2. あしきられ、そのはきもの。
3. 予と通じ、あらかじめ。
4. 国語で、おどり。

[古辞書の訓]
名義抄〕踊 アガル・ヲドル・ホトバシル・ツヅク

[熟語]
踊移踊逸・踊・踊悦・踊貴・踊出・踊身踊跳・踊塔踊騰・踊踊抃・踊躍
[下接語]
踊・歓踊・喜踊・曲踊・号踊・哭踊爵踊拾踊・翔踊・袒踊・跳踊・騰踊・飛踊・憤踊・辟踊・翔踊

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「踊」の意味・わかりやすい解説


おどり

広く「舞踊」の意に用いる場合と、「舞(まい)」に対する「踊(おどり)」としてその異なる要素を区別していう場合とがある。舞が「まわる」意であるのに対し、踊は躍り上がる跳躍を主とした動きをいい、「踏」「躍」の文字をあてることもある。「舞」は古代から中世に至り、能の舞に完成され、貴族や武家階級に支持されてきたのに対し、「踊」は民衆自身が踊るのが本来の形であり、専門的でなく庶民的性格をもつ。そこに熱狂的な群のエネルギーも生まれる。平安末期からみられる念仏踊、風流踊(ふりゅうおどり)、盆踊りなどは踊の系統に属する。この系統から近世の歌舞伎踊(かぶきおどり)が誕生し、「舞」と、物まねの要素をもつ「振(ふり)」を加えて発展していった。今日でも歌舞伎舞踊が日本舞踊の古典として多数を占めるので、広義にいう舞踊の「踊」もこれをさすことが少なくない。しかし、舞踊家の活動により多くの新たな作品が生まれているので、これを不当とする声が高まっている。舞踊の語は明治末以後一般的になっていったが、舞踊の意を京坂では「舞」、江戸では「踊」といった習慣が残っている。

[如月青子]

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