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身分行為 みぶんこうい

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

身分行為
みぶんこうい

家族法上の地位,身分関係に関する法律行為。大別して,(1) 身分関係を形成する行為 婚姻,養子縁組,離婚,離縁,子の認知など,(2) 身分関係に基づく行為 子の法律行為に関する親権者の同意行為や代理行為など,(3) 身分関係に付随する行為 夫婦財産契約,夫婦の氏を決定する行為,相続の限定承認や放棄など,3種がある。また,純粋な身分行為について,財産行為とのおもな差異は,(1) 身分行為には財産的法律行為に関する行為能力の規定 (民法4以下) の適用がなく,原則として,個々の場合につき意思能力 (正常な判断能力) があれば足りるものとし (737,738条) ,(2) 同様に,意思表示につき,意思の欠缺,瑕疵があった場合に関する民法総則の規定 (93~96条) の適用もなく,すべて真意の有無のみによるものとされる (742条) ,(3) 代理は許されず,すべて本人の意思決定によるべきものとされる,(4) 条件,期限を付して,効果を不安定にすることも許されない。また,(5) 法律行為の取消し原因は法定され (743,803条) ,取消しの効果は遡及しないものとされる (748,808条) 。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

身分行為
みぶんこうい

婚姻や養子縁組など身分上の法的効果を生じさせる法律行為。身分行為は、届出を必要とする要式行為であることが多く、当事者の真実の意思が重視され、民法総則に定められる行為能力の規定がそのまま適用されない点で、財産法上の法律行為と異なる特殊性をもっている。たとえば、民法総則では、成年被後見人の法律行為は取り消すことができるとされている(民法9条)。しかし、婚姻については、成年被後見人もその成年後見人の同意なしにすることができる(同法738条)。身分行為は、通常、大きく三つに分けられる。つまり、身分の取得・変更・喪失を直接的に生じさせる形成的身分行為(たとえば婚姻、養子縁組、認知など)、自分の身分に基づいて他人の身の上に身分法上の支配を及ぼす支配的身分行為(たとえば親権の行使、後見など)、身分関係に付随する付随的身分行為(たとえば婚姻の際における氏の決定、夫婦財産契約、相続の限定承認や放棄など)である。[高橋康之・野澤正充]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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