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南極条約 なんきょくじょうやくAntarctic Treaty

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

南極条約
なんきょくじょうやく
Antarctic Treaty

南極地域の領有権凍結とその平和利用,科学的調査のための枠組みを定めた条約。 1959年 12月1日調印,61年6月 23日発効。南極地域に対しては,従来セクター主義に基づく主張をはじめとして多くの国が領有権を主張してきた。 57年から 58年にかけての国際地球観測年を契機に平和利用の気運が高まり,南極地域の観測に参加した国が中心となって条約が作成された。条約は南極地域に対する一切の領有権の主張を凍結し,また条約の有効期間中の活動を領有権主張の根拠として援用することを禁じた。さらに南極地域の軍事的利用や核爆発・放射性廃棄物の処分を禁じるとともに,条約の履行を確保するための随時の査察制度を設けた。条約の有効期間は 30年とされたが,発効後 30年を経過した 91年6月 23日以降も条約は有効である。締約国の要請に基づき条約の運用について検討するための国際会議が開かれる。加盟国は 98年現在,43ヵ国。

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百科事典マイペディアの解説

南極条約【なんきょくじょうやく】

1957年から1958年の国際地球観測年における国際的な南極観測を契機にして1959年調印され1961年に発効した国際条約。南緯60°以南の地域に適用され,各国の領有権の主張を凍結し,その軍事利用を禁止し,同地における科学的調査の自由と国際協力の推進を目的とする。
→関連項目エンダビー・ランドクイーンモードランド南極大陸南極半島マリー・バード・ランド

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世界大百科事典 第2版の解説

なんきょくじょうやく【南極条約 Antarctic Treaty】

南極大陸に新しい国際制度を樹立した条約であり,1959年にワシントンで署名され,61年に発効した。 南極大陸は厳しい気象条件のために人の定住が困難であり,長く国家の実効的支配の及ばない無主の地であった。しかし,20世紀に入ると,科学技術の発達にともない,南極大陸の開発利用も不可能ではなくなってきた。こうした背景のもとに,1908年にイギリスが南極の一部地域の領有を主張したのを最初として,ニュージーランド,オーストラリア,フランス,ノルウェー,チリ,アルゼンチンが相次いで領有を主張した。

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大辞林 第三版の解説

なんきょくじょうやく【南極条約】

南極地域における領土権主張の凍結・科学的調査の自由・平和利用と非軍事化などを主眼に、1959年締結された条約。61年発効。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

南極条約
なんきょくじょうやく
Antarctic Treaty

1959年ワシントンにおいて調印された南極に関する基本条約。世界で7番目の大陸が存在する南極は、その厳しい地理的・気象的条件のため長く人間の接近を許さなかったが、20世紀に入って列国の関心が向けられ、イギリスなど7か国がそれぞれ南極の一部にセクターを設定して領土権を主張したため、その帰属が大きな国際問題となった。そこでアメリカの提唱により1959年にワシントンで開かれた会議において、この条約が調印され、南緯60度以南の地域が一つの国際制度の下に置かれることになった。この条約は1961年6月に発効、締約国は当初日本を含む12か国であったが、2009年9月時点では47か国に達している。おもな内容は、(1)各国が主張する領土権・領土についての請求権を、条約の有効期間中、凍結する。(2)平和的利用だけを認め、軍事利用・核爆発・放射性廃棄物処分を禁止する。(3)科学的調査の自由を基礎とする国際協力を促進する。(4)条約規定の遵守(じゅんしゅ)を確保するため、相互査察を認める。以上であるが、史上前例のない規定を多く含んでおり、その後、宇宙空間の地位などの審議に際して示唆を与えた。もっとも、これは南極の帰属問題を終局的に解決するものではなく、また資源に関する規定を欠いている。原締約国その他南極調査に実績のある締約国は、協議国として2年に一度南極条約協議国会議(協議国は28か国)を開き、条約の目的および原則を促進する措置の審議を行ってきたが、1964年には南極動植物相保存のための合意措置、1972年に南極あざらし保存条約、1980年には南極海洋生物資源保存条約が採択された。1970年代以降、南極鉱物資源開発への関心が高まり、1988年に南極鉱物資源活動規制条約が採択されたが、環境への配慮が不十分などの理由から発効せず、これにかわって同地域の環境保護のため、1991年に、科学的調査以外の鉱物資源活動を50年間禁止した環境保護に関する南極条約議定書が採択された。日本については1998年1月に発効。2008年12月時点で33か国が当事国である。[太寿堂鼎・広部和也]

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