旧日本軍の用語で,軍を構成する人的要員のうち軍人でない者を総称してこう呼んだ。現在では通常,これを文官またはシビリアンと呼ぶ。軍属はふつう,文官をあてたほうが有利な職務,または軍人の定員を節約する等のために軍人をもってあてる必要のない職務に配置された。軍属は,陸海軍文官,雇員,傭人に区分される。陸海軍文官は官吏であり,ふつう文官,教官,陸士海兵等の教授,特殊技術をもつ技師,法官,通訳官,陸海軍看護婦長等をいった。雇員は官吏に準じて下士官,判任官に相当する職務を行い,傭人は司令部,官衙(かんが)学校等における労務者で,看護婦,小使,馬丁などをいった。軍属は直接戦闘行動には参加しないことになっていた。なお,自衛隊では軍属に相当する用語はない。
執筆者:塚本 勝一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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