軍楽(読み)グンガク

デジタル大辞泉 「軍楽」の意味・読み・例文・類語

ぐん‐がく【軍楽】

軍隊で、士気を奮いたたせるためや式典などで奏される音楽管楽器打楽器を加えた編成のものが多い。

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精選版 日本国語大辞典 「軍楽」の意味・読み・例文・類語

ぐん‐がく【軍楽】

  1. 〘 名詞 〙 軍隊で、士気を鼓舞するためや、式典などの際に演奏する音楽。また、その楽曲。
    1. [初出の実例]「かく記しつつある時、旗艦盛に軍楽(クンガク)を奏するをきく」(出典:愛弟通信(1894‐95)〈国木田独歩波濤)
    2. [その他の文献]〔後漢書注‐礼儀志・朝会〕

軍楽の語誌

平家‐一一」に「平家みかた勝ぬとて、しきりにせめ鼓うって」とあるように、日本でも古くから、兵士の士気の鼓舞や、通信を目的として、鼓などの楽器を持つことがあった。しかし、「軍楽」と呼ばれるようになったのは、幕末幕府や諸藩に西洋式軍制が導入されて以降のことで、明治四年(一八七一)、陸・海軍設立時に、それぞれに軍楽隊を置いたことにより、日本の近代的な軍楽が確立していった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「軍楽」の意味・わかりやすい解説

軍楽
ぐんがく
military music

軍隊で士気の鼓舞や式典のために演奏される音楽。起源は古く,前6世紀頃にギリシア軍突撃の際,勇壮な軍楽を演奏して兵士の士気を鼓舞したといわれる。近世に入ると次第に儀礼,観閲式,または慰安に使われるようになった。行進曲はその代表的なもの。楽団の編成は管楽器を中心に打楽器を加え,民俗楽器や弦楽器を用いることもある。近世の吹奏楽による軍楽隊は,フランス王ルイ 14世が 17世紀中期に,J.リュリに創設させたのが初期の例。日本では明治2 (1869) 年に,薩摩藩が横浜に藩士 30人を送ってイギリス人から軍楽の伝習を受けたのが初めである。

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普及版 字通 「軍楽」の読み・字形・画数・意味

【軍楽】ぐんがく

軍中の楽。〔遼史、楽志〕鼓吹樂、一に短簫鐃歌(だうか)樂と曰ふ。より之れり。之れを軍樂と謂ふ。~横吹も亦た軍楽なり。

字通「軍」の項目を見る

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