軽米(読み)かるまい

改訂新版 世界大百科事典 「軽米」の意味・わかりやすい解説

軽米[町] (かるまい)

岩手県九戸(くのへ)郡の町。人口1万0209(2010)。県最北端に位置し,西は二戸市,北は青森県に接する。北上高地北端の一角を占め,標高300m前後の低山地が広く分布する。中央を雪谷川,瀬月内川が北流し,県境付近で合流して新井田(にいだ)川となる。中心集落の軽米は近世九戸街道宿場町で,付近で産する砂鉄を使って農機具,南部鉄びんなどの製造が行われた。多くの銅屋が存在し,市も開かれた。米作を主とする農業が主産業であるが,冷害を受けやすい地域であるため近年はタバコ,ホップ栽培畜産などに力を入れ複合経営を推進している。また近年は八戸,二戸,久慈の各市への通勤者が増加しており,専業農家は減少している。八戸自動車道のインターチェンジがある。毎年9月に行われる八幡宮大祭は豪華な山車で知られる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「軽米」の意味・わかりやすい解説

軽米(町)
かるまい

岩手県北東部、九戸郡(くのへぐん)にある町。青森県に接する。1925年(大正14)町制施行。1955年(昭和30)小軽米、晴山(はれやま)の2村と合併江戸時代には九戸街道(国道340号、395号)に沿う宿場町で、八戸藩代官所も置かれた。米作と畜産、ホップ、葉タバコ、食用ギクなどの野菜、花卉(かき)栽培を中心とした農業の町である。八戸自動車道軽米インターチェンジが設置され、東北自動車道ともつながった。面積245.82平方キロメートル、人口8421(2020)。

[川本忠平]


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百科事典マイペディア 「軽米」の意味・わかりやすい解説

軽米[町]【かるまい】

岩手県北部,青森県に接する九戸(くのへ)郡の町。中心の軽米は九戸街道の旧宿場町で,藩政時代には付近に砂鉄を産し,南部鉄びんの産で知られた。米,葉タバコ,ホップを産し,畜産,養蚕も行う。八戸自動車道が通じる。245.82km2。1万209人(2010)。

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