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農村社会学 のうそんしゃかいがく rural sociology

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

農村社会学
のうそんしゃかいがく
rural sociology

社会学の一分野。農民の階級,階層構造,これと関連して農民が形成運営する集団の構造,そのなかで営まれる農民生活の構造と農民意識,それらの統合としての支配構造を研究する。たとえばアメリカでは資本主義の発達のなかで生じてきた農村問題の解決を求めるところから行われ,日本では主として農村社会前近代的,伝統的側面の解明に力が注がれてきた。

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デジタル大辞泉の解説

のうそん‐しゃかいがく〔‐シヤクワイガク〕【農村社会学】

農村社会や農民生活における特質や諸問題を研究対象とする社会学の一分野。

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世界大百科事典 第2版の解説

のうそんしゃかいがく【農村社会学】

農村社会や農民生活を対象とする社会学の一分野。1920年代以来アメリカをはじめヨーロッパアジアなど各国で研究が進められている。日本では社会学の諸分野の中では比較的早く30年代から活発に研究が行われ,アメリカなどの影響もあるが,農村の事情に差が大きいこともあって多分に日本農村に集中した独自な研究が発展している。当初は,有賀喜左衛門などによる地主制との関連の下での家族制度同族組織の研究や,鈴木栄太郎による農家家族と自然村を中心においた農村社会の体系的把握などが行われ,それらを通じて日本社会の社会結合の基本形態を明らかにしようと試みられた。

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大辞林 第三版の解説

のうそんしゃかいがく【農村社会学】

農村における社会的諸関係の構造や特質などを研究対象とする社会学の一分野。 → 都市社会学

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

農村社会学
のうそんしゃかいがく
rural sociology

農村社会や農民生活に生じるさまざまな問題を対象とする社会学の一分野。当初、資本主義の発展に伴う工業化を背景にしだいに顕在化するようになった農村問題に対して、その解決を目ざす政策とその推進の方法とを明らかにするという要請に基づいてアメリカで成立した。農村問題にかかわる実践的性格の強い政策科学として活発な研究が行われるうちに、第一次世界大戦前後から、農民家族や農村の地域社会などについての科学的な研究方法の整備と研究成果の理論化が進むようになり、社会学の一分野として確立するに至った。その後、農村社会学はヨーロッパやアジアの諸国などでそれぞれに研究されるようになり、日本でも社会学の諸分野のなかでは早く、すでに昭和10年代から実証的な調査研究が行われてきた。
 各国の農村社会学には一般にアメリカ農村社会学の影響がみられるものの、農業のあり方や農村の抱える問題が、それぞれの地域において多分に相違するだけに、おのおの異なった関心や研究方法を含んで研究されている。アメリカの農村社会学は、今日まで農民生活にかかわるきわめて広い領域の問題を取り上げ、農業技術の普及や農民生活の改良に向けての応用と深く結び付いている。ほかの諸国の場合も、現実の農村の実態調査に依拠して応用を目ざした研究を行う点では共通した性格がみられるものの、アメリカの場合に比べて対象とされる問題は限定されている。[蓮見音彦]

日本の農村社会学

日本の場合には、1935年(昭和10)前後に、農村の社会構造をとらえることを通じて日本社会の特質を明らかにしようとする視点から、農村社会学の確立が図られた。農村の現実の改良との結び付きが希薄であったことは、当時の社会学のあり方、社会科学の位置づけを反映したものであった。鈴木栄太郎は、アメリカ農村社会学の研究に触発されて、農家家族と自然村を中心に据えて農村社会学の体系化を目ざした。また、有賀喜左衞門(あるがきざえもん)は、地主制との関連の下に、家族制度や日本社会固有の同族組織の実証的研究を行い、そこに日本の社会結合の基本形態をみいだそうとした。
 第二次世界大戦後、農村では、民法の改正による家制度の解体や農地改革による地主制の解体などが進むなかで、福武直(ふくたけただし)を中心にこれらの制度的改革にもかかわらずなお残存する封建遺制の解明に焦点があてられた。農村社会の民主化がどこまで達成しうるかが、日本社会の民主化の進展を規定するものと考えられた。福武は東北型の同族結合と西南型の講組(こうぐみ)結合という村落構造の二つの類型を示し、農村の民主化の展開を説明しようとするとともに、行政村の政治や農民生活、農民意識など農村社会の多様な問題に農村社会学の対象を拡大した。
 経済成長が進み、農業・農村がそれに対応した激しい変貌(へんぼう)を示すのに伴って、農村社会学もその研究関心を変化させた。農民の階層分化とその過程での農民の組織化が進む時期には、村落共同体の解体過程と対比しつつ、日本における伝統的な村落の解体過程や新しい集団の形成についての研究が行われた。さらに、農業所得が伸び悩むなかで都市への人口流出や兼業化が進み、新しい農村問題として後継者問題、出稼ぎ、過疎、高齢化問題などが次々に問題とされるようになった。この結果、農村の変動を都市の発展や資本主義の構造との関連でとらえる視角が強まり、農村社会学の関心領域も大きく拡大されるに至った。[蓮見音彦]
『蓮見音彦編『農村社会学』(1973・東京大学出版会) ▽『鈴木栄太郎著作集 日本農村社会学原理』(1968・未来社) ▽『有賀喜左衞門著作集 同族と村落』(1971・未来社) ▽福武直編『戦後日本の農村調査』(1977・東京大学出版会)』

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