返る(読み)カエル

デジタル大辞泉 「返る」の意味・読み・例文・類語

かえ・る〔かへる〕【返る/反る】

[動ラ五(四)]
表であったものが裏になったり、上であったものが下になったりして、ものの向き・位置が反対になる。裏がえる。ひるがえる。ひっくりかえる。「裾が―・る」「軍配が―・る」「漢文を下から―・って読む」
(返る)一度変化したものが、前やもとの状態になる。「童心に―・る」「正気に―・る」
(返る)一度手を離れた物が手元に戻る。もとの所有者に戻る。「忘れ物が―・る」「投資した金が倍になって―・ってくる」
(返る)こちらからの働きかけに対して、相手が反応する。「返事が―・ってくる」
年月・季節が一巡して再びその時になる。年が改まる。
「その年も―・りぬ」〈更級
染めた色がさめる。色があせる。
「はな(=ハナダ色)も―・り濡れなどしたる薄色宿直物とのゐものを着て」〈・二〇〇〉
動詞の連用形に付く。
㋐すっかり…する、ひどく…する意を表す。「静まり―・る」「あきれ―・る」「むせ―・る」
㋑繰り返し…する意を表す。
「ぬばたまの夜を長みかもわが背子いめに夢にし見え―・るらむ」〈・二八九〇〉
[可能]かえれる
[下接句]己にち礼にかえ愚に返る年返る覆水盆に返らず我に返る
[類語]なおる戻るよみがえる復するやり直すやり返す持ち直す立ち返る立ち直る舞い戻る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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