立直る(読み)タチナオル

デジタル大辞泉 「立直る」の意味・読み・例文・類語

たち‐なお・る〔‐なほる〕【立(ち)直る】

[動ラ五(四)]
倒れそうになったものが、もとに戻る。「よろめいたがすぐ―・った」
悪い状態から、もとの状態に戻る。「ショックから―・る」「相場が―・る」
[類語]回復返るなおる戻るよみがえる復するやり直すやり返す持ち直す立ち返る舞い戻る

たて‐なお・る〔‐なほる〕【立(て)直る】

[動ラ五(四)]直ってもとのようになる。たちなおる。
「せっかく―・ろうとしている小さな胸に」〈藤村夜明け前

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精選版 日本国語大辞典 「立直る」の意味・読み・例文・類語

たち‐なお・る‥なほる【立直】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 倒れたり倒れそうになったりしているものが、もとどおりしっかりと立つ。
    1. [初出の実例]「難波潟つなでになびく蘆の穂のうらやましくも立ちなをるかな〈源俊頼〉」(出典:類従本堀河百首(1105‐06頃)冬)
  3. 悪い状態になった物事が、もとのよい状態になる。
    1. [初出の実例]「明くる年はたちなほるべきかと思ふほどに」(出典:方丈記(1212))
    2. 「年月の懈怠を悔いてこの度もしたちなほりて命をまたくせば」(出典:徒然草(1331頃)二四一)
  4. 立膝になる。
    1. [初出の実例]「不礼は御免と立直りわざと後を見せたる手のうち」(出典:浄瑠璃・本朝二十四孝(1766)一)
  5. 場所を移る。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  6. 姿勢をもとのように正しく直す。居直る。
    1. [初出の実例]「入道立直(タチナヲッ)て大の音(こへ)を以て、侍に人や在(ある)々々と呼給ければ」(出典源平盛衰記(14C前)六)

たて‐なお・る‥なほる【建直・立直】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
  2. それまでの家屋をこわして新たに建物が建つ。改築される。
    1. [初出の実例]「何と、六波羅の堂が立(タテ)なをるか」(出典:咄本・軽口露がはなし(1691)一)
  3. 以前のように改まる。直ってもとの状態になる。立ち直る。
    1. [初出の実例]「自然世もたてなをらば、父の意趣をもとげ」(出典:保元物語(1220頃か)下)

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