1台の鍵盤楽器,とくにピアノを2人で演奏すること。連弾という語は日本独自のもので,欧米では一般に〈4手(よつで)のためfor four hands〉などと表現される。まれに3手(2人),6手(3人),あるいはそれ以上の人数を要する作品もある。同じ二重奏でも複数のピアノを使用する場合は連弾とはいわず,〈2台のピアノのため〉などといわれる。いずれも独奏の場合に比べ広い音域と豊かな響きが得られるが,どちらかといえば連弾作品は家庭用,2台ピアノ作品は演奏会用の性格が強い。
連弾作品は17世紀に登場するが,本格的に流行し出版もされるようになったのは18世紀後半の古典派からである。モーツァルト,シューベルト,シューマン,ブラームス,フォーレ,ドボルジャーク,ドビュッシー,ラベルなど,20世紀に至るまで多数の作品が書かれた。とくに19世紀には,オペラや交響曲などの大編成の楽曲がさかんに連弾用に編曲され,そうした作品の普及にあたって今日のレコードや放送に相当する役割を果たした。
執筆者:土田 英三郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
1台のピアノを2人で演奏すること。この種の最古の例は、17世紀初頭にイギリスで書かれた三手用の作品であるといわれているが、本格的に連弾曲が書かれるのは18世紀後半の古典派以降のことである。連弾によって広い音域と充実した和声が可能となることから広がりをみせた。とくにモーツァルトやシューベルトらが連弾の特色を生かした作品を残している。19世紀ヨーロッパではピアノの普及に伴い、管弦楽曲の連弾用編曲が家庭音楽のなかで重要な位置を占めた。連弾は四手用ともいわれるように、1台のピアノを2人の4手で奏するのが普通であるが、例外的には2台4人、4台8人、8台16人、16台31人の作品例もある。
[アルバレス・ホセ]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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