ドライバーの休憩や交通情報提供のため、主要道路沿いなどに整備される施設。市町村や第三セクターなど公的団体が設置者となり、国土交通省が登録する。登録要件は、24時間無料で利用可能な駐車場とトイレがあることや、道路情報や地域の観光情報を提供する機能があることなど。
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ドライバーらに飲食を提供したり、特産品の販売をしたり、災害時には防災拠点となるなど、多様な機能・サービスを提供する一般道沿いの休憩施設。民間の発案を基に、1991年(平成3)に栃木県、岐阜県、山口県で実験的に設置し、1993年から全国で整備が始まった。24時間無料で利用可能なトイレ・駐車場の設置などを条件に、地方自治体などが設置し、国土交通省が登録・案内する。2023年(令和5)2月時点で登録数は全国1204か所、年間利用者は2億人を超える。国土交通省の道の駅登録・案内要綱は「一定水準以上のサービスを提供できる休憩施設」と位置づけており、(1)駐車場、トイレ、電話などを備えた休憩機能、(2)道路情報、緊急医療情報、特産品販売や観光情報などの情報発信機能・地域連携機能、(3)食料・水を備蓄し避難先となる災害時防災拠点機能、などをあわせもつ。なお、全国組織に一般社団法人全国道の駅連絡会がある。
登録には休憩機能を満たすため、広域駐車場やトイレの整備のほか、施設のバリアフリー化などが必要。情報発信機能・地域連携機能では、農水産物の展示即売、伝統芸能やイベントの開催、子育て支援施設、ホテルや郷土資料館の併設、史跡・温泉・キャンプ場などに関する観光情報の発信など、地域ごとに創意工夫(くふう)によるサービス提供を認めている。多様なサービスの提供と集客力が評価され、全国道の駅連絡会「『道の駅』による地方創生マーケティング」が2015年(平成27)に日本マーケティング大賞を受賞。特産品を全国にPRする目的で、道の駅特産の調理食品(フード部門、スイーツ部門)を競う「道-1(ワン)グランプリ」が2016年から開かれている。また、東日本大震災や熊本地震などで救助・避難拠点として活用された教訓を踏まえ、国は2020年の防災基本計画で道の駅を地域防災拠点と位置づけ、国土交通省は同年から「防災道の駅」の認定制度を始めた(2021年時点で39か所認定)。施設を耐震化し、非常用電源・通信設備、貯水槽、非常用トイレ、備蓄倉庫、ヘリコプターの離着陸場などを提供し、周辺住民の避難スペースとして活用する。大規模災害時には一般車両による利用を制限・禁止し、自衛隊、消防、警察などの救助・復旧拠点としても使用する。
[矢野 武 2023年4月20日]
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