遠阪峠(読み)とおざかとうげ

日本歴史地名大系 「遠阪峠」の解説

遠阪峠
とおざかとうげ

遠阪和田とおざかわだから朝来あさご山東さんとうしばに抜ける標高約三七五メートルの峠。氷上郡北西部の動脈路であり、現在阪神地域と但馬地域を結ぶ最短路線の国道四二七号が通る。山陰道の難所丹波・但馬の国境であった。古くは遠坂とおざか峠と記す。江戸時代には年数回生野いくの銀山(現生野町)の上納銀が峠を通過した(「幸世村西光庵文書」氷上郡志)。元禄一一年(一六九八)柏原藩主織田信休が領内巡視のため峠を検分(柏原藩御用部屋日記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「遠阪峠」の意味・わかりやすい解説

遠阪峠
とおさかとうげ

兵庫県丹波市(たんば)青垣町と朝来市(あさごし)山東町境界にある峠。標高363メートル。丹波と但馬(たじま)を結ぶ丹波街道の要地で、峠下の宿駅、丹波の佐治(さじ)(丹波市)と但馬の粟鹿(あわが)(朝来市)は『延喜式(えんぎしき)』にもみえる。峠の南方を国道427号が走り、1977年(昭和52)の遠阪トンネルの完成で冬季積雪凍結による交通障害も解決した。

[二木敏篤]

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