青垣(読み)あおかき

精選版 日本国語大辞典 「青垣」の意味・読み・例文・類語

あお‐かき あを‥【青垣】

〘名〙 (後世は「あおがき」) 青々と茂っている垣の意で、特に、青々とした山が、垣のように周囲を取り囲んでいるさまをいう。国ぼめに用いる慣用語青垣山
古事記(712)中・歌謡大和(やまと)は 国のまほろば たたなづく 阿袁加岐(アヲカキ) 山隠(ごも)れる 大和しうるはし

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デジタル大辞泉 「青垣」の意味・読み・例文・類語

あお‐かき〔あを‐〕【青垣】

《「あおがき」とも》周囲を取り巻いている山々を、青い垣に見立てた語。古代、国褒めの慣用語。青垣山。
「たたなづく―山ごもれる大和しうるはし」〈・中・歌謡〉

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「青垣」の意味・わかりやすい解説

青垣
あおがき

兵庫県中東部、氷上郡(ひかみぐん)にあった旧町名(青垣町(ちょう))。現在は丹波(たんば)市北西部の一地区。1955年(昭和30)佐治町と芦田(あした)、神楽(しぐら)、遠阪(とおさか)の3村が合併して青垣町が成立。2004年(平成16)柏原(かいばら)町、氷上町、春日(かすが)町、山南(さんなん)町、市島(いちじま)町と合併、市制施行して丹波市となる。旧町域は、加古川(かこがわ)の源流域に位置し、北東部を京都府と接する。緑濃い中国山地に抱かれるところから「青垣」と命名された。JR福知山線開通まで、佐治は但馬(たじま)と大阪を結ぶ街道筋の宿場町として栄えた。現在は国道427号、429号、483号が通じる。農林業が中心だが、1994年(平成6)には工業団地が造成されている。江戸末期に始まる丹波布は天然の草木染めで、国の選択無形文化財。保存協会が伝承に努めており、丹波布伝承館で製造工程をみることができる。沢野の八幡神社の「青垣の翁三番叟(おきなさんばそう)」は丹波猿楽の流れをくみ、国の選択無形民俗文化財に指定されている。桧倉(ひのくら)の高源寺(こうげんじ)蔵の『絹本着色普応国師(ふおうこくし)像』は国指定重要文化財。

[大槻 守]

『『青垣町誌』(1975・青垣町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「青垣」の意味・わかりやすい解説

青垣
あおがき

兵庫県中東部,丹波市北西部の旧町域。加古川上流部の佐治川上流域に位置し,北部は京都府に接する。 1955年佐治町と芦田村,神楽村,遠阪村の3村が合体して青垣町が成立。 2004年柏原町,氷上町,春日町,山南町,市島町と合体して丹波市となった。中心集落の佐治は但馬方面から京都にいたる街道筋の旧宿場町。米,アズキが主要産物で,和牛の飼育も行なわれている。小稗 (こびえ) の特産物である丹波布は木綿と絹糸を織り混ぜ,草木の汁で染めた伝統的な織物。檜倉の高源寺は臨済宗の巨刹で,絹本着色普応国師像は国の重要文化財。紅葉が有名。北西の山岳地一帯は,朝来群山県立自然公園に属する。

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改訂新版 世界大百科事典 「青垣」の意味・わかりやすい解説

青垣 (あおがき)

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