遺伝子銀行(読み)イデンシギンコウ

デジタル大辞泉 「遺伝子銀行」の意味・読み・例文・類語

いでんし‐ぎんこう〔ヰデンシギンカウ〕【遺伝子銀行】

ジーン‐バンク

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精選版 日本国語大辞典 「遺伝子銀行」の意味・読み・例文・類語

いでんし‐ぎんこう ヰデンシ‥【遺伝子銀行】

〘名〙 =ジーンバンク

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百科事典マイペディア 「遺伝子銀行」の意味・わかりやすい解説

遺伝子銀行【いでんしぎんこう】

ジーン・バンクとも。植物の種子菌類胞子微生物,動物の受精卵精子,生物個体などを遺伝子資源として収集,保存し,研究者などに提供する。貴重な動植物種の遺伝情報をストックするとともに,これらを用いて遺伝子組換えや細胞融合による品種改良を行い,おもに農林水産業に役立てるのが目的。食糧戦略とのかかわりが大きいため各国とも遺伝子銀行の充実には早い段階から力を入れていたが,日本では1980年代に入ってようやく農林水産省設立に踏み切った。農業生物資源研究所(1983年設立)の〈農林水産ジーンバンク〉では,15万種40万点を目標に,これまで70ヵ国から約5万4000点を収集した。一方,米国やロシアはすでに十数万から三十数万点の種子を保存しているといわれる。 国内の遺伝子銀行としてはほかに,科学技術庁が理化学研究所に設置した細胞・遺伝子保存施設,および国際的なネットワーク下で微生物専門の保存・提供業務を行う微生物系統保存施設,通産省微生物工業技術研究所の特許微生物寄託センター,がん研究振興財団が対がん10ヵ年総合戦略推進のために国立予防衛生研究所(現,国立感染症研究所)に設置したJCRB遺伝子バンクなどがある。なお,遺伝子銀行が種子や精子といった生物体の一部を保存・提供するのに対して,遺伝子の本体であるDNAそのものを収集・保存・提供するのがDNAバンクで,日本では1993年農林水産省の農業生物資源研究所に初めて設立された。→細胞銀行精子銀行卵子銀行

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「遺伝子銀行」の意味・わかりやすい解説

遺伝子銀行
いでんしぎんこう
gene bank

DNA,受精卵,精子,種子などの遺伝子資源を保存する施設で,ジーン・バンク gene bank,種子銀行とも呼ばれる。バイオテクノロジーの発展に伴い,温度や湿度を管理し,遺伝子資源を生きたまま冷凍保存することによって,品種の特性を組合せる品種改良を行い,有益な食糧をつくりだすことができる。 1974年以降,国連食糧農業機関 FAOおよび関連諸計画によりこのような保存事業が推進されており,アメリカや旧ソ連では 30万種以上保存されている。日本でも農林水産生物遺伝資源管理施設 (農林水産ジーン・バンク) で植物,動物,微生物,木材水産物の遺伝資源が保存されている。

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