邦枝完二(読み)くにえだかんじ

精選版 日本国語大辞典 「邦枝完二」の意味・読み・例文・類語

くにえだ‐かんじ【邦枝完二】

  1. 小説家本名莞爾(かんじ)東京に生まれる。慶応義塾大学中退。官能的作風大衆小説を著わす。著作「廓(くるわ)の子」「毒婦暦」「お伝地獄」など。明治二五~昭和三一年(一八九二‐一九五六

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20世紀日本人名事典 「邦枝完二」の解説

邦枝 完二
クニエダ カンジ

大正・昭和期の小説



生年
明治25(1892)年12月28日

没年
昭和31(1956)年8月2日

出生地
東京市麴町区平河町(現・東京都千代田区)

本名
国枝 莞爾

別名
筆名=双竹亭 竹水

学歴〔年〕
東京外国語学校イタリア語科専修科〔大正3年〕中退

経歴
大正元年「三田文学」に「廓の子」を発表、以後「朱欒」「ARS」「秀才文壇」などに小説、戯曲、詩を発表。4年「時事新報」の記者になり、9年帝国劇場文芸部に移り、その間「三田文学」などに作品を発表するが、12年から文筆業専念した。昭和3年発表の「東洲斎写楽」以降、大衆作家として流行作家となり、9年から10年にかけて「お伝地獄」を発表した。他の作品として「歌麿」「おせん」などがあり、戦後も「東京一代女」や「恋あやめ」などを発表した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「邦枝完二」の意味・わかりやすい解説

邦枝完二
くにえだかんじ
(1892―1956)

小説家。東京生まれ。本名莞爾(かんじ)。商工中学卒業後、慶応義塾予科に入学、永井荷風(かふう)に師事し、『三田文学』の編集従事、同誌に『蝙蝠安(こうもりやす)』『柳ちる日』『栴檀(せんだん)樹下低唱』などの小説、戯曲、詩を発表した。1917年(大正6)時事新報入社、運動部記者を経て文芸部長に就任したのち、帝劇文芸部に移り、脚本を執筆のかたわら帝劇女優学校長を務めた。23年以後、作家専業となり、『東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)』(1928)、『歌麿(うたまろ)をめぐる女達』(原題『歌麿』。1931)、『お伝地獄』(1934~35)などの江戸情緒豊かに官能美を描出した作品で、作家としての位置を確立した。

[磯貝勝太郎]

『『大衆文学大系13 邦枝完二他集』(1972・講談社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「邦枝完二」の意味・わかりやすい解説

邦枝完二
くにえだかんじ

[生]1892.12.28. 東京
[没]1956.8.2. 鵠沼
小説家。本名,莞爾。永井荷風に師事し,『三田文学』の編集に従った。 1915年『時事新報』記者,次いで帝国劇場文芸部に移った。小説の処女作は『廓の子』 (1912) 。新聞連載小説『歌麿』 (31) や『お伝地獄』 (34~35) で大衆文学の代表作家となり,幅広い活躍を続けた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「邦枝完二」の解説

邦枝完二 くにえだ-かんじ

1892-1956 大正-昭和時代の小説家。
明治25年12月28日生まれ。永井荷風の影響をうける。時事新報社,帝劇文芸部勤務ののち文筆に専念。「東洲斎写楽」「歌麿をめぐる女達」「お伝地獄」など,江戸情緒と官能美をえがいて流行作家となった。昭和31年8月2日死去。63歳。東京出身。東京外国語学校(現東京外大)中退。本名は莞爾(かんじ)。

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百科事典マイペディア 「邦枝完二」の意味・わかりやすい解説

邦枝完二【くにえだかんじ】

小説家。本名莞爾。東京生れ。慶大中退。永井荷風に師事。《時事新報》,帝劇文芸部につとめた。官能的で江戸趣味豊かな小説を書き,読物作家として知られた。《東洲斎写楽》《歌麿》《お伝地獄》その他がある。

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367日誕生日大事典 「邦枝完二」の解説

邦枝 完二 (くにえだ かんじ)

生年月日:1892年12月28日
大正時代;昭和時代の小説家
1956年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の邦枝完二の言及

【大和楽】より

…美しいメロディの曲が多く,二重唱,輪唱などの手法をとり入れるなどして変化をつけている。代表曲に《隅田川》(長田幹彦作詞,岸上きみ作曲),《あやめ》(長田幹彦作詞,宮川源司作曲),《団十郎娘》(邦枝完二作詞,宮川源司作曲)など。【竹内 道敬】。…

※「邦枝完二」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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