重畳(読み)ちょうじょう

精選版 日本国語大辞典 「重畳」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐じょう ‥デフ【重畳】

〘名〙
① (形動タリ) (━する) 幾重にも重なっていること。ますます重なること。また、そのさま。かさねがさね。
※菅家文草(900頃)七・祭城山神文「敢不蘋藻清明、玉幣重畳、以賽応験、以飾威稜
※高野本平家(13C前)一「両条希代いまだきかざる狼藉也。事既に重畳(テウデウ)せり、罪科尤のがれがたし」
肉体悪魔(1946)〈田村泰次郎〉「毎日大行山脈の、あの重畳とした嶮しい山また山を登り降りして」
② この上もなく喜ばしいこと。きわめて満足なこと。しごく都合がよいこと。多く、感動詞的に用いる。頂上
※狂言記・子盗人(1660)「やあ是に小袖が有。是はちゃうぢゃうのことじゃ」
※談義本・教訓続下手談義(1753)一「家屋舗も次第にふへるげな。重畳(テウヂャウ)重畳目出たふござる」

じゅう‐じょう ヂュウデフ【重畳】

〘名〙 幾重にもかさなること。ちょうじょう。
太平記(14C後)一二「加様の事共重畳(ヂウデウ)して上聞に達しければ」

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デジタル大辞泉 「重畳」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐じょう〔‐デフ〕【重畳】

[名](スル)
幾重にも重なること。
峰巒―して長く飛騨越中越後の境に亘り」〈木下尚江良人の自白
この上もなく満足なこと。大変喜ばしいこと。感動詞的にも用いる。頂上。
「あすの喜び、お家の為にも―じゃ」〈逍遥桐一葉
[ト・タル][文][形動タリ]幾重にも重なっているさま。「見渡すかぎり重畳たる山並み」
[類語]重層十重二十重

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普及版 字通 「重畳」の読み・字形・画数・意味

【重畳】ちようじよう(でふ)

うちかさなる。〔後漢書、皇后上、明徳馬后紀〕常に富貴の家をるに、祿位重疊す。ほ再實の木の、其の根必ず傷(やぶ)るるがごとし。

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