(読み)ジュウ

デジタル大辞泉 「重」の意味・読み・例文・類語

じゅう【重】[漢字項目]

[音]ジュウ(ヂュウ)(慣) チョウ(漢) [訓]え おもい かさねる かさなる
学習漢字]3年
〈ジュウ〉
目方がおもい。「重量重力重金属加重荷重体重比重
程度がはなはだしい。容易でない。「重罪重傷重税重責重体重篤重労働
大切である。大切にする。おもんじる。「重視重大重鎮重点重役重要
軽々しくしない。おもおもしい。「重厚厳重
かさなる。かさねる。「重婚重箱じゅうばこ重版重訳多重
チョウ
おもい。「軽重輜重しちょう
大切にする。おもんじる。「重宝貴重自重尊重珍重
軽々しくしない。「慎重鄭重ていちょう
かさなる。「重畳重複重陽九重
〈え〉「幾重いくえ二重ふたえ十重二十重とえはたえ
〈おも〉「重荷気重身重
[名のり]あつ・あつし・いかし・おもし・かさぬ・かず・かたし・しげ・しげし・しげる・のぶ・ふさ
[難読]重石おもし重籐しげどう

じゅう〔ヂユウ〕【重】

[名]
重箱」の略。「お
段階。位。
「面白き位より上に、心にも覚えず、あっと云ふ―あるべし」〈花鏡
(他の語の上について)
㋐一般的なものより重いことを表す。「金属」「機関銃」
㋑程度がはなはだだしいことを表す。「過失」「加算税」
[接頭]
同位体のうち、普通より質量の大きいほうのもの、または、それを含む化合物であることを表す。「水素」「水」
酸の1分子中に、中心原子が2個以上含まれていることを表す。「クロム酸カリウム」
酸性塩であることを表す。現在は用いない。「炭酸ソーダ」
[接尾]助数詞。重なったものを数えるのに用いる。「二

え〔へ〕【重】

[接尾]助数詞。数を表す語に付いて、重なったものを数える語。「ふたまぶた」「八咲き」

ちょう【重】[漢字項目]

じゅう

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精選版 日本国語大辞典 「重」の意味・読み・例文・類語

じゅうヂュウ【重】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. おもいこと。おもみのあること。おもさ。転じて、大切なこと。〔工学字彙(1886)〕
    2. かさなり。段階。くらい。程度。
      1. [初出の実例]「法勝寺九重塔は〈略〉かたぶきてひえんは重ごとに皆をちにけり」(出典:愚管抄(1220)五)
      2. 「面白き位より上に、心に覚えず、あつと云重あるべし」(出典:花鏡(1424)上手之知感事)
    3. じゅうばこ(重箱)」の略。〔日葡辞書(1603‐04)〕
      1. [初出の実例]「野がけかな・蒔絵の重にすすき箸」(出典:雑俳・住吉おどり(1696))
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 重なったものを数えるのに用いる。「二重」「五重」など。
    1. [初出の実例]「塔壱基 五重〈高十六丈〉」(出典:法隆寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747)二月一一日)
  3. [ 3 ] 〘 接頭語 〙
    1. ふつうに存在する原子よりも質量数の大きい同位体、もしくはそれを含む化合物にいう。重水素、重水など。
    2. 二つ重なったの意。たとえばクロム酸にはクロム原子一個だが、重クロム酸では二個、重炭酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウム)は一当量の水酸化ナトリウムと二当量の炭酸の塩であるなど。

【重】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 へだてになるもの。垣、戸、几帳など、ある物と他の物をさえぎるもの。「へだてる」の語源は「へ立つ」である。
    1. [初出の実例]「海神(わたつみ)の 神の宮の 内の隔(へ)の 妙なる殿に」(出典:万葉集(8C後)九・一七四〇)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 重なったものの数、重なった回数を数えるのに用いる。かさなり。「二重(ふたえ)」「八重(やえ)」「二十重(はたえ)」など。
    1. [初出の実例]「衣こそ 二幣(へ)も良き さ夜床を 並べむ君は 恐きろかも」(出典:日本書紀(720)仁徳二二年正月・歌謡)

かさなり【重】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「かさなる(重)」の連用形名詞化 )
  2. 重なること。また、重なっている様子。
    1. [初出の実例]「国境の山々はもう重なりも見分けられず」(出典:雪国(1935‐47)〈川端康成〉)
  3. 特に、色の重ね合わせ方。
    1. [初出の実例]「鈍(にび)たる御衣(ぞ)どもなれど、色あひ、かさなり好ましく」(出典:源氏物語(1001‐14頃)朝顔)

おもせ【重】

  1. 〘 名詞 〙
  2. おもし(重)
    1. [初出の実例]「おもせの石をもたぬ日はなし」(出典:寒川入道筆記(1613頃)落書附誹諧之事)
  3. おもし(重)
    1. [初出の実例]「大臣は家のおもせ、君の腹心なれば、高位大祿をあたへ」(出典:翁問答(1650)上)

おもき【重】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形容詞「おもし」の連体形の名詞化 ) 重いこと。また、重大なこと。重要性。おもみ。「重きを置く」「重きをなす」などの形で用いる。
    1. [初出の実例]「著作者の思想及び文章は多年の造詣と経験とを積んで成功したもの故出板者が金銭を運用する労力よりは比較的重(オモ)きを有するは当然である」(出典:嚼氷冷語(1899)〈内田魯庵〉)

おもじ【重】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 身分や地位がおもおもしい。世の柱石となっている。国家の重鎮となっている。
    1. [初出の実例]「藤原の卿等をば、掛けまくも畏き聖の天皇が御世重ねて、於母自(オモジキ)人の門よりは、慈び賜ひ上げ賜ひ来る家なり」(出典:続日本紀‐天平宝字三年(759)六月一六日・宣命)

しま【重】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 駕籠舁(かごかき)仲間で、重いさまをいう。
    1. [初出の実例]「サア棒組、上げるぞ。オオしまなもんぢゃ」(出典:歌舞伎・桑名屋徳蔵入船物語(1770)三)

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普及版 字通 「重」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

[字音] ジュウ(ヂュウ)・チョウ
[字訓] おもい・かさなる

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
東(とう)+土。東は(たく)の初文で、その象形。〔説文〕八上に「厚きなり」と訓し、「(てい)に從ひ、東聲」というが、東が重の主体であり、(ふくろ)の形である東の下に錘(おもり)のように土を加えた形で、重量を示す字である。そのの入口に流し口の形をそえたものは量。主として穀物を量るものであるから、の中のものを糧という。重量の意よりして重圧・重層・重要・威重などの意となる。

[訓義]
1. おもい、重量がある。
2. かさなる、くわえる、ます。
3. おもおもしい、ふかい、あつい、たっとい、おごそか。
4. ゆっくり、ただしい、ゆるやか、てあつい。
5. はばかる、おそれる、わずらう。
6. みごもる。
7. 腫と通じ、むくむ。

[古辞書の訓]
名義抄〕重 オモシ・タフトブ・カサヌ・カサナル・ワヅラフ・シゲシ・シキル・コノム/百重 モモカサナリ 〔字鏡集〕重 ヨシ・オモシ・カサナル・タフトシ・タタム・コノム・ワヅラフ・オホシ・ネンゴロ・アツシ・ツツシム・シゲシ・シキル

[声系]
〔説文〕に重(じゆう)声として踵・種・・動・(童)など十字を収める。(どう)声の(鐘)なども同系とみてよく、は古くは鍾としるした。おおむね重の声義を承け、継続・増益などの義を含む。

[語系]
重・種・diongは同声。は〔説文〕十三上に「するなり」とあり、は〔玉〕に「複なり」とあって、複(重複)の意。踵・腫・鍾tjiongも声義近く、踵は継続、腫・鍾には増益の意がある。

[熟語]
重圧・重囲・重威・重位・重恩・重科・重劾・重器・重寄・重禁・重刑・重固・重痼・重厚・重婚・重罪・重賜・重施・重事・重疾・重囚・重傷・重賞・重職・重臣・重税・重責・重租・重層・重・重濁・重誅・重徴・重鎮・重典・重任・重農・重罰・重犯・重藩・重病・重物・重辟・重望・重量・重斂・重賂・重禄・重賄・重衣・重頤・重・重陰・重・重・重紆・重雲・重暈・重英・重穎・重謁・重檐・重淵・重屋・重価・重華・重閣・重較・重関・重・重巌・重規・重毅・重客・重弓・重裘・重九・重・重衾・重勲・重京・重敬・重軽・重険・重繭・重圏・重・重憲・重・重玄・重辜・重午・重五・重困・重昏・重歳・重貲・重資・重車・重修・重・重襲・重出・重霄・重壌・重畳・重慎・重身・重世・重席・重舌・重泉・重薦・重膳・重素・重装・重尊・重戴・重代・重遅・重・重瞳・重堂・重拝・重貧・重風・重複重幣重溟・重門・重訳・重陽・重来重酪・重卵・重覧重巒・重重霤・重累
[下接語]
威重・懿重・一重・過重・雅重・寛重・簡重・幾重・貴重・器重・九重・敬重・軽重・権重・厳重・厚重・至重・輜重・自重・持重・粛重・畳重・深重・慎重・推重・翠重・数重・積重・千重・荘重・尊重・体重・端重・沈重・珍重・重・典重・任重・万重・百重・偏重・累重

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

食器・調理器具がわかる辞典 「重」の解説

じゅう【重】

「重箱」の略。⇒重箱

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