デジタル大辞泉
「野口弥太郎」の意味・読み・例文・類語
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野口 弥太郎
ノグチ ヤタロウ
大正・昭和期の洋画家 日本大学芸術学部教授。
- 生年
- 明治32(1899)年10月1日
- 没年
- 昭和51(1976)年3月23日
- 出生地
- 東京・本郷
- 出身地
- 長崎県諫早市
- 学歴〔年〕
- 関西学院中学部卒,川端画学校〔大正10年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 毎日芸術賞〔昭和39年〕「セビラの行列」,芸術選奨文部大臣賞〔昭和46年〕「那智の滝」
- 経歴
- 大正10年川端画学校に学び、藤島武二の指導を受けた。11年二科展に初入選、翌々年3点入選して注目された。昭和4年渡仏、グラン・ショーミエールに通い、翌年からサロン・ドートンヌ、サロン・デ・ザンデパンダンに出品。6年サロン・ドートンヌに出品した「港のカフェ」は仏政府買い上げとなった。「ベルクール広場」「フレンチカンカン」は滞仏中の代表作。8年帰国、二科会を辞し独立美術協会員となる。その間、日本の風景で長崎、函館を描いた佳作が多い。27年日大芸術学部教授。35年再び渡仏、50年日本芸術院会員。流麗・軽快なフォービズム風の独自の画風は洋画界の異色であった。平成元年約100点の作品が遺志により長崎市に寄贈され、同市の旧英国領事館を使って、5年4月「野口弥太郎記念美術館」が開設された。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
野口弥太郎
のぐちやたろう
(1899―1976)
洋画家。東京生まれ。小・中学時代を長崎、神戸で過ごし、1921年(大正10)上京して川端(かわばた)画学校に学ぶ。29~33年(昭和4~8)滞仏、サロン・ドートンヌほかに出品。帰国の年二科会会友を辞して、独立美術協会の会員となる。64年『セビラの行列』で第5回毎日芸術賞を、71年『那智(なち)の瀧(たき)』で芸術選奨文部大臣賞を受け、75年には日本芸術院会員となった。さわやかな彩調と流動感に満ちた作風で、その他の代表作に『巴里(パリ)の眺め』などがある。
[小倉忠夫]
『土方定一文『野口弥太郎画集』(1983・日動出版部)』
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野口弥太郎
のぐちやたろう
[生]1899.10.1. 東京
[没]1976.3.23. 鎌倉
洋画家。 1921年川端画学校で藤島武二に学ぶ。 22~29年二科展に出品。この間 26年に一九三〇年協会会員となる。 29年渡仏し,サロン・ドートンヌ,アンデパンダン展などに出品。 33年帰国,独立美術協会に加入し,フォービスム風の軽快な筆致の作品を発表した。 75年日本芸術院会員。主要作品『ベルクール広場』 (1931,東京国立近代美術館) ,『踏絵』 (56,同) ,『セビラの行列』 (63,神奈川県立近代美術館) 。
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野口弥太郎 のぐち-やたろう
1899-1976 大正-昭和時代の洋画家。
明治32年10月1日生まれ。川端画学校にまなぶ。昭和4年フランスにわたり,サロン-ドートンヌに出品。帰国後,独立美術協会会員となる。27年日大教授。48年「那智(なち)の滝」で芸術選奨。50年芸術院会員。昭和51年3月23日死去。76歳。東京出身。関西学院中学部卒。作品に「セビラの行列」など。
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野口 弥太郎 (のぐち やたろう)
生年月日:1899年10月1日
大正時代;昭和時代の洋画家。日本大学教授
1976年没
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の野口弥太郎の言及
【明治・大正時代美術】より
…里見勝蔵(1895‐1981),前田寛治,佐伯祐三らがそうであり,彼らは木下孝則(1895‐1973),小島善太郎(1892‐1984)と[一九三〇年協会]を結成する。26年の第1回展には,古賀春江,野口弥太郎(1899‐1976),林武,林重義(1896‐1944),川口軌外(きがい)(1892‐1966),木下義謙(1898‐1996),宮坂勝(1895‐1953),中野和高(1896‐1965),中山巍(たかし)(1893‐1978),伊原宇三郎(1894‐1976),福沢一郎,長谷川利行,靉光ら,昭和期に活躍する青年画家が多く集まった。しかし一九三〇年協会は第5回展をもって終わり,その継続ともいえる[独立美術協会]が結成されて,31年第1回展が開かれる。…
※「野口弥太郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」