デジタル大辞泉
「金平本」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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きんぴら‐ぼん【金平本】
- 〘 名詞 〙 金平浄瑠璃の正本。絵入りの細字本で六段。正本のほか、元祿(一六八八‐一七〇四)頃に単に読み物として出版したものもいい、金平の頭と目を大きく誇張した挿絵が特徴。広く古浄瑠璃本をさし、また、赤本などで金平やそれに類する勇武の物語を扱ったものをいうこともある。きんぴら。
- [初出の実例]「終に金平本(キンピラボン)一冊読だ事なきものも、よんで嬉しがったに」(出典:談義本・当風辻談義(1753)四)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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金平本
きんぴらぼん
江戸和泉太夫が語った金平浄瑠璃の正本,およびそれを模倣した他の作者の浄瑠璃正本。6段の細字絵入本が多い。江戸版は小本,上方版は大本で,1冊が 10丁ないし 20丁から成り,誇大な怪奇趣味にあふれた挿絵がある。江戸では主として鱗形屋,上方では山本九兵衛と鶴屋喜右衛門により出版された。 (→金平節 )
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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金平本【きんぴらぼん】
金平浄瑠璃の正本が本来の意であるが,広義には古浄瑠璃の正本すべてを呼ぶ。半紙判または美濃紙半切判で,多くの場合稚拙なさし絵がはいっている。
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世界大百科事典(旧版)内の金平本の言及
【本】より
…[鱗形屋](うろこがたや)は1657年(明暦3)に《花鳥山桜西明寺百首》を出版し,又右衛門らの古浄瑠璃本を引き継いで幕末まで活動した。江戸で最も流行したのは坂田金時の子公平(きんぴら)を主人公とした金平浄瑠璃で,これは鳥居派の絵入本で流布し金平本と呼ばれた。やや遅れて京都で子ども用の赤表紙行成本があり,江戸では小本のお伽噺絵入りの[赤本]が延宝ころ(1670年代)出版され,享保ころ(1710年代)には年長向きになり黒本といい,やがて青本となり([黒本・青本]),安永ころには黄表紙となった。…
※「金平本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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