精選版 日本国語大辞典 「釜尾古墳」の意味・読み・例文・類語 かまお‐こふんかまを‥【釜尾古墳】 熊本県熊本市釜尾にある古墳時代後期の円墳。径約一八メートル。明和六年(一七六九)発見。石室内部側壁に丹(たん)、青、白を使った同心円文、三角文などが描かれている。国史跡指定。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本歴史地名大系 「釜尾古墳」の解説 釜尾古墳かまおこふん 熊本県:飽託郡北部町釜尾村釜尾古墳[現在地名]北部町釜尾 同免釜尾台地の突端にあり、現在墳丘は西側を天神社の境内で削られ、半円形をなしている。直径約一八メートル・高さ約六メートルの円墳で、装飾古墳である。発見されたのは明和六年(一七六九)で、「国誌」に「口窄ク内ハ一間半四方計リ、切石ノ壁天井ニテ向ノ石壁朱ニテ塗リ、桔梗ノ紋アリ、常福寺ノ粮倉ニテヤアランカ、後又埋メ置タリト云」と記される。石室は南側に入口をもつ横穴式石室で、長い羨道とほぼ正方形の奥室が特徴をなしている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
国指定史跡ガイド 「釜尾古墳」の解説 かまおこふん【釜尾古墳】 熊本県熊本市釜尾町にある古墳。市の北西部、井芹(いせり)川右岸の釜尾丘陵の標高約50mに所在する円墳。墳丘は変形しているが、径18m、高さ6mと推定され、1921年(大正10)に国の史跡に指定。1990年(平成2)の周溝確認調査で、内径28~29m、幅3~4mの周溝(周濠)を検出。内部主体は南に開口する両袖式玄門がある横穴式石室で、安山岩を用いている。全長約9.6m、玄室長3.6m、幅3.6m、高さ3m、羨道(せんどう)の長さは6m、幅約1m、高さ0.7m。前室長1.75m、幅0.9m、高さ1.5m。玄室側壁は割り石小口積みで、壁面下部の高さ1.8mほどは赤色、上部は白色顔料が塗られ、玄室奥壁に沿って石屋形が設けられる。装飾図柄は石屋形を中心として前壁を構成する玄門柱石・冠石に赤・青・白色で同心円文・三角文・重列三角文・双脚輪状文が描かれている。副葬品として須恵器(すえき)、管玉(くだたま)、剣・刀・挂甲(けいこう)・馬具などの鉄製品が出土。石室構造・壁画などから、6世紀後半の築造と推定されている。JR鹿児島本線ほか熊本駅の熊本交通センターから産交バス「釜尾」下車、徒歩約20分。 出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報