(読み)ボタン(その他表記)〈ポルトガル〉botão/〈英〉button

デジタル大辞泉 「鈕」の意味・読み・例文・類語

ボタン【鈕/釦】

衣類の合わせ目などに用いるもの。他の一方に設けた穴やループをくぐらせて留める。装飾を兼ねることが多い。
指で押して機械類を作動させるための小さい突起物。
コンピューターのデスクトップ画面上で、ある特定命令処理を選択したり、実行させる時にクリックする領域。機械類のボタンを模したもの。
[類語](1ホックフックスナップこはぜ

ちゅう〔チウ〕【×鈕】

印・鐘・鏡などのつまみ。
勲章の金属章と綬の環との間につける飾りのつまみ。
足袋などのこはぜ。

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精選版 日本国語大辞典 「鈕」の意味・読み・例文・類語

ボタン【鈕・釦】

  1. 〘 名詞 〙
  2. [ 一 ] ( [ポルトガル語] botão ) 衣類などの合わせ目を留めるのに用いるもの。重なる部分の一方につけ、他方にあけた穴や紐の輪などにかける。単に、装飾とするものもある。金属、貝殻、ガラス、合成樹脂などで作る。
    1. [初出の実例]「牡丹(ホタン)〈略〉衣裳・踏皮(たび)などの緒ににほたんという物あり。是は花のすがたを似せたる物也。絵に有花に准じて植物にはならねども、季をもつべき歟」(出典俳諧・御傘(1651)一)
  3. [ 二 ] ( [英語] button ) 指で押して呼鈴(よびりん)やベルを鳴らしたり、機械類を作動させたりする小さな突起物。
    1. [初出の実例]「大統領親ら手を扣鈕(ボタン)に触れらるるや、千百里外なるニュオルレンスの博覧会に備へたる電信機直ちに震動して」(出典:郵便報知新聞‐明治一八年(1885)二月二四日)

ちゅうチウ【鈕】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 印鑑や鏡の裏などの突起状のつまみ。とって。
    1. [初出の実例]「印材なども極めて質朴なもので、鈕なども、大抵は連環或は鼻鈕と云ふやうな極めて簡単なものであった」(出典:春城随筆(1926)〈市島春城〉趣味談叢)
  3. 足袋(たび)などのこはぜ。

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普及版 字通 「鈕」の読み・字形・画数・意味


12画

[字音] チュウ(チウ)
[字訓] つまみ・ぼたん

[説文解字]

[字形] 形声
声符は丑(ちゆう)。丑は指先に力を入れてものを執る形。器物の蓋(ふた)や印璽のつまみのところをいう。〔説文〕十四上に「印なり」とみえる。古くは紐の字を用い、のち鈕を用いる。その飾りによって虎(ちこ)鈕・亀鈕・蟠蛇(ばんだ)鈕のようにいう。諸蛮には多く蟠蛇鈕の類を与えた。

[訓義]
1. つまみ、印のつまみ、印鼻。
2. とって、環鈕。
3. ボタン(釦)。
4. と通じ、かせ。

[熟語]
鈕口鈕孔鈕鉤鈕子鈕枢
[下接語]
印鈕・鉗鈕・亀鈕・玉鈕・鎖鈕・璽鈕・瑞鈕

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【印章】より

…主に愛好されたのは,ウルク期が大理石,ジャムダット・ナスル期が石灰岩と凍石,初期王朝期は蛇紋岩,方解石,貝,アッカド時代には石英と水晶のような硬い石,ウル第3王朝からバビロン第1王朝までは赤鉄鉱,カッシート時代からアッシリア,新バビロニア時代には玉髄やメノウである。 インダス文明の印章(インダス式印章)はスタンプ形で,普通の大きさは1辺が2~5cmの正方形,背に刻み出してつくった鈕(ちゆう)をもつ。ステアタイト製で1頭の大型動物と数個の文字を刻んであり,印面に硬度を加えるために,アルカリ液を塗って加熱し釉をかけた状態に処理したものもあるといわれる。…

※「鈕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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