銀山温泉(読み)ぎんざんおんせん

日本歴史地名大系 「銀山温泉」の解説

銀山温泉
ぎんざんおんせん

[現在地名]尾花沢市銀山新畑

銀山川上流の山峡にあり、川の両岸に大正年間の洋館をしのばせる旅館が軒を連ね、夏季湯治客が多い。慶長(一五九六―一六一五)から寛永年間(一六二四―四四)延沢のべさわ銀山の盛期に、銀山の鉱夫が川中に湧泉を発見し、疲れをいやすため浴槽を作って入浴したのに始まるといわれる。近世初期の銀山の運上諸役明細を書留めた延沢御銀山運上諸役留書(藤文書)によれば、出湯役・山湯役・町方風呂役がある。山湯役は山の湯役・山小屋湯役とも記され、町方に対する間歩所在地の風呂屋役である。出湯役は温泉に対する税で、正保元年(一六四四)八月には一ヵ月分として江戸又兵衛が七両三分銀五匁九分で落札しているが、八月四日に風雨のため湯坪三ヵ所が破損したので、五両銀一四匁六分六厘を免除している。銀山伝記(同文書)によれば、銀山衰退後にだんだん盛んになったといい、「温泉の徳諸方に響き入湯繁昌に相成ける、其頃尾花沢町に鈴木道友と云分限者有、申けるは、摂州有馬の湯ハ金のたてより出る故、日本一、此の温泉ハ銀のたてより出る故、日本二番湯成」とうたわれたという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「銀山温泉」の意味・わかりやすい解説

銀山温泉
ぎんざんおんせん

山形県東部、尾花沢市(おばなざわし)にある温泉。奥羽山脈山麓(さんろく)にあり、16世紀初頭に栄えた野辺沢銀山(のべさわぎんざん)の鉱夫が発見したという。銀山川の両岸に大正時代の洋館をしのばせる旅館が建ち並び、湯治場の雰囲気をいまも残している。泉質硫黄泉。銀坑跡や白銀(はくぎん)の滝がある。国民保養温泉地指定されている。JR奥羽本線大石田駅からバス便がある。

中川 重]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「銀山温泉」の意味・わかりやすい解説

銀山温泉
ぎんざんおんせん

山形県尾花沢市,尾花沢盆地の東縁,奥羽山脈麓,銀山川に沿う温泉。泉質は食塩泉泉温は約 44~65℃。慶長年間 (1596~1615) に開発された延沢銀山に働く炭坑員たちが湧泉を発見し,入浴したのが始りとされる。多雪地だが,湯治客が多い。付近に廃坑の跡 (史跡) ,上ノ畑観音堂,白銀滝,銀山スキー場がある。国民保養温泉地に指定。

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デジタル大辞泉プラス 「銀山温泉」の解説

銀山温泉

山形県尾花沢市、銀山川の渓谷にある温泉。1968年国民保養温泉地に指定。世界的にヒットしたNHKのテレビドラマ「おしん」のロケ地として知られる。

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