新日本製鐵(読み)しんにっぽんせいてつ

百科事典マイペディア 「新日本製鐵」の意味・わかりやすい解説

新日本製鐵[株]【しんにっぽんせいてつ】

八幡製鉄富士製鉄合併して成立した日本最大の銑鋼一貫生産の鉄鋼会社。1950年日本製鉄の解体により,八幡製鉄所を承継して八幡製鉄が,室蘭釜石広畑製鉄所などを承継して富士製鉄が設立された。前者は1955年光,1961年堺,1965年君津の各新設製鉄所を操業開始,粗鋼生産で国内首位を占め,後者も1967年子会社東海製鉄を合併して名古屋製鉄所とするなど,国内第2位を保持した。しかし住友金属工業川崎製鉄など関西系企業の急追を受け,いっそうの合理化と鉄鋼業全般の安定を意図して,1968年から合併計画を進め,独占禁止法抵触問題について公正取引委員会の同意審決を得,1970年3月合併した。粗鋼生産は全国の約25%強を占め,米国のUSスチール(現,USX)を上回り世界第1位となった。1980年代に入り,ニューセラミックスなど新素材やエンジニアリング事業などにも乗り出し,鉄鋼依存型経営からの脱却につとめる。また,1999年にはシームレス鋼管事業で住友金属工業,川崎製鉄と,ステンレス事業では日新製鋼と業務提携するなど,事業再編の動きを強めている。現在の粗鋼生産量は世界第2位。首位に立つヨーロッパアルセロール・ミッタルや韓国ポスコ浦項総合製鉄)と連携を強化。国内では,住友金属工業,神戸製鋼所資本提携。本社東京。2009年資本金4195億円,2008年の世界同時不況自動車などの鉄鋼需要の急減を受けて,2009年3月期は大幅減益,2010年3月期も業績低迷が続いていたが,2011年3月期売上4兆1097億円で黒字化した。資本金4195億円(2011),売上構成(%)は,製鉄84,エンジニアリング5,都市開発2,化学5,システムソリューション3。海外売上比率34%。
→関連項目企業城下町JFEホールディングス[株]新日鐵住金[株]鉄鋼業戸畑[区]阪和興業[株]ビッグ・ビジネスポスコ八幡東[区]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新日本製鐵」の意味・わかりやすい解説

新日本製鐵
しんにっぽんせいてつ

世界トップクラスの生産量を誇ったかつての鉄鋼メーカー。旧鉄鋼業大手 5社の一つ。1934年製鉄大合同により日本製鉄設立,1939年広畑製鉄所開設。1950年過度経済力集中排除法により八幡製鉄所富士製鉄ほか 2社に分割。1970年八幡,富士両製鉄が合併して新日本製鐵として発足。合併に独占禁止法違反の疑いをはさむ公正取引委員会との 1年以上にわたる交渉の末実現した。1971年富士三機鋼管を合併。八幡,室蘭,釜石,広畑,光,名古屋,堺,君津,大分などに製鉄所をもち鉄鋼を一貫生産したほか,エンジニアリングの部門にも進出した。1986年エレクトロニクス事業部を設置,情報通信,新素材などの事業も展開した。1990年代末には日新製鋼住友金属工業川崎製鉄などと提携し,輸出共販など連携強化に努めた。2012年住友金属工業と合併して新日鐵住金となった。

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