デジタル大辞泉
「鏝」の意味・読み・例文・類語
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こて【鏝】
〘名〙
① 左官用具の一つ。泥、
漆喰(しっくい)、セメントなどを塗るときに用いるもの。木製のものもあるが、多くは鉄製で、平らな板に、手が壁に触れないように湾曲した鉄の柄をつけ、これに木製の握り柄をつける。
金篦(かなべら)。〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕
② 火で熱しておき、紙や布などのしわをのばす道具。布に接する面が扁平な
板状の
鉄片で、長い柄をつけたもの。焼きごて。
※裁縫の要訣(1916)〈吉田房子〉「裁ち縫ひをなすには、針、指環、〈略〉
烙鏝(コテ)、烙鏝こすり〈略〉
海綿などあれども」
③
鏝療治(こてりょうじ)に用いる医者の道具。
小手。
※雑俳・豊の蝉(1737)「いも顔の
泥鏝はあれ共銫なし」
④ はさみ状の鉄製の調髪用具。熱しておいて髪にウエーブをつけるのに用いる。マーセルアイロン。
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈
長与善郎〉竹沢先生の散歩「丁度髪もちぢれてゐるから、コテ入らずだわ」
⑤ はんだ付けなどに用いる焼きごて。
⑥ アイロン。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
鏝【こて】
(1)セメントや壁などを塗り,表面を仕上げるのに使う道具。曲面用,煉瓦積みの目地仕上げ用などもある。ささの葉形の薄い鉄板に木の柄をつけたものが一般的。(2)和裁用具の一つ。小型の金属部に長い柄をつけ,加熱して布にしるしや折り目をつけたり,しわをのばすのに使用。炭火で熱し焼鏝と呼ばれたが,現在は電熱式が多い。ほかに毛織物等にしるしをつけるへら鏝,特殊な形の手芸用などがある。(3)整髪用に用いるはさみ形のアイロン。(4)→はんだ鏝
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