門川(読み)かどがわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「門川」の意味・わかりやすい解説

門川(町)
かどがわ

宮崎県北部、東臼杵郡(ひがしうすきぐん)にある町。1935年(昭和10)町制施行。古代郷名(ごうめい)、駅名刈田(かりた)があり、転じて門川になったという。五十鈴(いすず)川の河口に位置するが、沖積地は狭く山がちである。JR日豊(にっぽう)本線東九州自動車道延岡南道路、国道10号、388号が通じる。江戸時代は延岡藩(のべおかはん)に属した。漁業が盛んで、めざしが特産物である。延岡、日向(ひゅうが)両市に隣接し、日向延岡新産業都市域の住宅地区として市街地が発展している。門川湾口の乙島(おとしま)は、海食洞と断崖(だんがい)の島で磯(いそ)釣りで知られる。沖合いの枇榔島(びろうじま)は国指定天然記念物カンムリウミスズメの繁殖地。北東部にある遠見山は日豊海岸国定公園に属し、展望台、遊歩道を備える。面積120.40平方キロメートル、人口1万7379(2020)。

[横山淳一]

『石川恒太郎編『門川町史』(1947・門川町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「門川」の意味・わかりやすい解説

門川[町] (かどがわ)

宮崎県北部,東臼杵郡の町。人口1万8854(2010)。東は日向灘に面し,北は延岡市,南は日向市に接する。古代には日向国府と大宰府を結ぶ官道の要地で,刈田駅が置かれた。近世は延岡藩領。西部は山地が占め,中央部を東流する五十鈴川沿いに低地が広がる。温暖多雨の気候に恵まれて農林業を主とし,米,野菜,果樹畜産,シイタケなどを産する。五十鈴川河口には門川漁港があり,イワシ,サバなどが水揚げされ,煮干しなどに加工される。海岸にはJR日豊本線,国道10号線が並行して走り,水産加工,木材,繊維などの工場が立地して日向延岡新産業都市地域の一角を占める。宅地化が進行し,近年人口は増加傾向にある。海岸線は屈曲に富み,門川湾には乙島,沖合には枇榔島がある。
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百科事典マイペディア 「門川」の意味・わかりやすい解説

門川[町]【かどがわ】

宮崎県北部,東臼杵(ひがしうすき)郡の町。日向灘(ひゅうがなだ)に臨み,大半山林であるが,五十鈴川河口付近に平地がある。日豊(にっぽう)本線が通じる主集落門川漁港はイワシ漁で知られ,目刺しを特産。東九州自動車道も通じる。乙島(おとじま),枇榔(びろう)島は景勝地。120.51km2。1万8854人(2010)。

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