代名詞の機能と関係節を表示する機能とをあわせもつ文法要素。関係節はその外部にある名詞(主名詞)を修飾する働きをもつ。関係節と主名詞とは、主名詞に意味上対応する要素が関係節内に含まれることによって関係づけられる。たとえば、「〔私が(そこで)この本を買った〕書店」において、〔 〕内が関係節、「書店」が主名詞、( )内が主名詞に意味上対応する要素(かりに「節内要素」とよぶ)である(節内要素は通例削除される)。また、関係節内には、関係節であることを示す要素(「関係節標識」)が加えられることがある(〔私がこの本を買ったトコロノ〕書店)。
関係節の構成法は言語によってかなり異なる。日本語では節内要素が削除されるが、主語、目的語以外の場合には(上例のように)代名詞となって節内に残りうる。また通例、関係節標識は使われない。一方、言語によっては、節内要素が代名詞として残り、かつそれが関係節標識を兼ねる場合がある。これが関係代名詞であり、ヨーロッパ語の多くにみられる。関係節内での関係代名詞の位置は文法関係によらずつねに節の先頭(および節の先頭にくる名詞句または前置詞句の内部)である。次に英語からの例を示す。‘the man〔who loves Mary〕’‘the bookshop〔which I bought this book at〕’=‘the bookshop〔at which I bought this book〕’この場合、主名詞は、つねに関係節に先行するので、「先行詞」とよばれることが多い。
[山田 進]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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