関本(読み)せきもと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「関本」の意味・わかりやすい解説

関本(神奈川県)
せきもと

神奈川県南足柄市(みなみあしがらし)の中心市街地で、市役所があり、小田原駅から伊豆箱根鉄道大雄山(だいゆうざん)線が通じる。古代の東海道坂本駅家(うまや)の本村で、中世関本宿と称した。足柄関東麓(とうろく)にあるので名づけられた。江戸時代には脇(わき)往還矢倉沢(やぐらさわ)往還の宿場町で、いまにその名残(なごり)がみられる。曹洞(そうとう)宗の大寺大雄山最乗寺(さいじょうじ)の参拝口にあたり、近くにこの地の豊富な湧水(ゆうすい)と塵埃(じんあい)の少ない空気の利用に始まる富士フイルム工場がある。

[浅香幸雄]


関本(茨城県)
せきもと

茨城県筑西市(ちくせいし)南西端の一地区。旧関本町。ナシ栽培と養蚕業は県下第一で結城紬(ゆうきつむぎ)の産も多い。鬼怒(きぬ)川水運の河岸(かし)跡は船玉(ふなだま)にあり、その八幡宮(はちまんぐう)下に装飾古墳で知られた船玉古墳がある。

[櫻井明俊]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「関本」の意味・わかりやすい解説

関本
せきもと

神奈川県南西部,南足柄市の中心地区。足柄峠の東麓に位置する。奈良時代に開かれた足柄道の坂本駅の地といわれ,名称は足柄関のふもとの意。近世矢倉沢往還宿駅。周辺は豊富な湧水と清澄な空気に恵まれるため,昭和初年南郊にフィルム工場が立地し,以後急速に発展。宅地化が著しい。伊豆箱根鉄道大雄山線で小田原と結ばれる。

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世界大百科事典(旧版)内の関本の言及

【南足柄[市]】より

…箱根外輪山の東斜面と,そこから流出する内川,狩川の流域,および酒匂(さかわ)川の沖積地を市域とする。中心集落の関本は狩川の谷口集落で,古代東海道の足柄峠越えの駅家(うまや)とされ,近世には東海道の脇往還矢倉沢往還の宿駅であった。1934年狩川の南側に豊富な地下水と農村の余剰労働力を利用する富士写真フイルムの工場が設立され,以後関連工場が立地した。…

※「関本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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