関西エアポート(読み)かんさいえあぽーと

共同通信ニュース用語解説 「関西エアポート」の解説

関西エアポート

オリックスフランス空港運営会社バンシ・エアポート中心になって設立。国や自治体などが施設を保有したまま運営権を民間企業に売却する「コンセッション方式」で、2016年4月に関西空港大阪(伊丹)空港の運営を新関西国際空港会社から引き継いだ。18年4月から子会社神戸空港の運営に当たり、3空港の一体運用を始めた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「関西エアポート」の意味・わかりやすい解説

関西エアポート(株)
かんさいえあぽーと

関西国際空港関空)と大阪国際空港(伊丹(いたみ)空港)を運営する民間企業。公共施設の所有権を公共団体が保有したまま、運営権だけを民間へ売却するコンセッション(運営権売却)政策一環として、空港の運営を目的にできた日本初の民間企業である。2015年(平成27)12月1日に設立され、2016年4月1日に新関西国際空港株式会社から運営権を引き継ぎ、事業を始めた。本社を大阪府泉佐野(いずみさの)市の関西国際空港内に置く。株式会社形態をとり、資本金は250億円。オリックスとフランスの空港運営会社バンシ・エアポートVINCI Airportsがそれぞれ40%を出資し、残る20%を大阪瓦斯(ガス)、オムロン関西電力サントリーホールディングス、ダイキン工業、パナソニック、阪急阪神ホールディングスなど関西を代表する民間企業30社が分担した。新関西国際空港のほぼすべての従業員約480人を関西エアポートが引き継いだ。

 関西エアポートは新関西国際空港に対し、毎年490億円(総額約2兆2000億円)の運営権料を支払う。運営受託期間は2016年度から2059年度までとなり、その間に約1兆円を設備投資し、第4ターミナルなどを整備し、格安航空会社(LCC)を誘致するほか、ヨーロッパ・北米路線の新設を進める。また、民間企業の知識と経験を活用し、バンシ・エアポートが海外で培った空港運営ノウハウも生かしながら、サービス向上や業務効率化につなげ、空港内・周辺でのホテル・商業施設事業を拡大し、着陸料以外の収入も増やす計画である。

[矢野 武 2016年11月18日]

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