阜(漢字)

普及版 字通 「阜(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

[字音]
[字訓] おか・おおきい・さかん

[説文解字]
[甲骨文]

[字形] 象形
字はもとの形に作り、神の陟降(ちよくこう)する神梯の象。天に陟降することをいう。〔説文〕十四下に「大いなる陸(をか)なり。山の石無きなり」とし、土山の象形と解する。しかし山をこの形にしるすことはなく、卜文・金文の字形は神梯の象で、この部の字に神の陟降する聖地に関するものが多い。わが国では「高梯(たかはし)」「倉梯(くらはし)」とよぶものである。

[訓義]
1. たかはし、くらはし、神梯。
2. おか。
3. おおきい、さかん、たかい、あつい。
4. のびる、そだつ、やすらか。

[古辞書の訓]
名義抄〕阜 ツカ・オホイナリ・アツシ・アツマル・カツカツ・サカリニ・サカリナリ・ユタカニ・サカユ 〔立〕阜 ユタカニ・ユタカナリ・アツシ・コエタリ・ナガシ・トメリ・サカリ・カツカツ・ウヅタカウス・アツマル・ツホシ

[部首]
〔説文〕に陵・陸・陰・陽・阪・限・除・陟・(降)・(隔)・隱(隠)・・際など九十一字、他に〔新附〕には二字、また(ふう)部に四字を属し、〔玉〕には阜部に百九十三字を属する。後起の字はおおむね形声の字であるが、卜文・金文の字は意象の明らかなものが多く、陽は神梯の前に玉をおき、玉光による魂振り儀礼。限は呪眼によって聖域を守る意。隱は呪具の工によって、聖域に神が隠れ住む意。際は神梯の下に祭る意で天人の際を示す字である。(し)と形が似ているが、肉(しんにく)の象形で、阜とは関係がない。

[熟語]
阜安阜貨阜熙阜康阜財阜滋・阜阜昌阜成阜盛阜垤阜繁・阜阜陵阜老
[下接語]
殷阜・丘阜・原阜・岡阜・香阜・高阜・康阜・財阜・山阜・昌阜・堆阜・長阜・重阜・繁阜阜・陸阜・陵阜・林阜

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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